映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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六十八候「泉水温をふくむ」(しみず あたたかをふくむ)
六十九候「雉始めてなく」(きじ はじめてなく)

二十四節気の暦は小寒!

「泉水温をふくむ(しみず あたたかをふくむ)」
地上のあらゆるものが凍りつく、寒さ厳しい小寒。
地中では凍った泉が融けて動き始め、春への準備が着々と進んでいる、という事を表現した候です。
今回の候では、春菊、キジ、鮟鱇、成人の日、かぶなど、この季節の話題を楽しくお送りします。

冬もようやく中盤に入り、春へ向けた折り返しがスタートします。そんな春を先取りできる、春の名を持つ野菜・春菊が、今、旬を迎えています。
春菊は、その名の通り菊の一種ですが、一般的な菊の花が秋に咲くのに対し、春菊は春に花を咲かせる為、春の菊で春菊と名付けたそうです。
「春菊」独特の豊かな香りが、食欲を増進させ、鍋ものには欠かせない食材ですね。その他にも、おひたしや和え物、てんぷらにしても美味しいですよね。

雄のキジは、「ケーン、ケーン」と甲高く鋭い鳴き声が特徴です。これは求愛行動の一つで、鳴いた後には、羽根を振るわす「ほろ打ち」を行います。
ケーンと鳴いて、ほろろっと、ほろ打ちをするというキジの行動から、「けんもほろろ」という言葉が生まれたとも言われています。

「東の鮟鱇(あんこう)、西の河豚(ふぐ)」という言葉をご存知でしょうか。鍋料理において双璧をなす魚二つを、鍋の横綱として讃えた言葉です。
そんなあんこうも、いよいよ旬!あん肝を加えた鍋はコクが増して絶品です!

1月の第2月曜は、「成人の日」です。
日本では古来より、成人になった事を示す儀式として、「元服」というものがありました。
成人を迎える男子に対し、服を改め、髪を結い、冠をつけたり、幼名を廃し烏帽子(えぼし)名を付ける、といった事が行われてきました。
そして、この元服の儀が行われていたのが、1月15日の「小正月」と呼ばれる日だったのです。

寒い時期に甘みが増して美味しくなる野菜に、「かぶ」があります。葉はスズナと呼ばれ、春の七草のひとつです。
こちらは「かぶらずし」。石川県発祥の寿司料理で、塩漬けにしたかぶで、塩漬けにしたブリの薄切りを挟み込み、細く切った人参や昆布などとともに、米麹で漬け込んで醗酵させたものです。