映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
  • トップページ
  • バックナンバー
  • テーマ音楽
  • プレゼント

バックナンバー

二十四候「麦秋至る」(むぎのとき いたる)
二十五候「蟷螂生ず」(かまきり しょうず)

二十四節気の暦は小満から芒種!

二十四候「麦秋至る(むぎのとき いたる)」
麦が熟し、穂が黄金色になる時期を表した候です。初夏のこの時期を、麦に秋で「麦秋」と言ったりします。
二十五候「蟷螂生ず(かまきり しょうず)」
カマキリが田畑に姿を表し始める事を表した候です。 今回の候は、麦、イサキ、オオルリ、ゴーヤ、チャグチャグ馬コなど、この季節の話題を楽しくお送りします。

候にもあるように「麦」が収穫期を迎えます。大麦は、世界でもっとも古くから栽培されていた作物の一つ。「大麦(おおむぎ)」という名前は、中国での呼び名「大麦(だいばく)」を訓読みしたものと言われ、「大」は大きさではなく、品質の良いもの、使い道が広いという意味だそうです。また、小麦の由来は、大麦に対して小さいからという意味ではなく、古くからある麦「古麦」が転じた説や、粉にして使う麦「粉麦(こなむぎ)」が転じたといった説があります。

この時期旬を迎える魚「イサキ」。名前の由来は、磯に住んでいるといことから磯の魚で、「磯魚(イソキ)」が転じたといった説があります。また、背ビレの棘がニワトリの鶏冠(とさか)に似ている事から、漢字では「鶏の魚」と書いて「鶏魚(イサキ)」と読みます。「イサキは北向きで食べろ」こんな言い習わしがあります。イサキの骨は非常に硬く、喉に刺さればそのまま命を落としてしまう恐れもある事から、食べる際には命を落とす覚悟をして、よく注意して食べなさいといった意味が込められています。

こちらの鳥は「オオルリ」です。ウグイスやコマドリと共に「日本三鳴鳥」の一つに数えられます。東南アジアで冬を過ごし、日本へは夏のこの時期に繁殖の為にやって来る、いわゆる「夏鳥」です。名前の由来は、雄の美しい青色からで、「ルリ」は瑠璃色の「瑠璃」の事です。この体の色から、オオルリは、「幸せを運ぶ青い鳥」の代表としても知られています。

沖縄を代表する夏野菜「ゴーヤ」が旬を迎えます。沖縄では、ゴーヤと呼ぶのが一般的で、今では日本全国でそう呼ばれています。また、その独特な苦みから「ニガウリ」とも呼ばれ、こちらも一般的ですね。ゴーヤの苦味成分には、胃を健康にする効果があるとされ、夏バテ対策にも最適で、ビタミンCをはじめとしたビタミンを多く含む事もあり、健康野菜やダイエット食品としても人気の野菜です。

馬にまつわる行事、岩手県の「チャグチャグ馬コ」です。岩手郡滝沢村と盛岡市で、毎年6月の第2土曜日に開催される祭りで、100頭ほどの馬が、滝沢村の鬼越蒼前神社から盛岡市の八幡宮まで、およそ13キロの道のりを行進します。馬のあでやかな飾り付けとたくさんの鈴が特徴で、歩くたびにチャグチャグと鳴る鈴の音が名称の由来だそうです。この鈴の音は、「日本の音風景100選」にも選ばれています。