映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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三十候「半夏生ず」(はんげ しょうず)

二十四節気の暦は夏至!

「半夏生ず(はんげ しょうず)」
「半夏」とは「烏柄杓(からすびしゃく)」という山道や畑などに生息している植物の事で、この烏柄杓が生える頃を表しています。今回の候は、七夕、湘南ひらつか七夕まつり、笹、素麺、童謡の日など、この季節の話題を楽しくお送りします。

7月7日は、五節句の一つである恒例行事「七夕」が行われます。織姫と彦星の恋物語「七夕伝説」は、中国の織女(しょくじょ)と牽牛(けんぎゅう)という夫婦の伝説が元となったといいます。機織りが得意な娘・織女と、牛飼いの真面目な青年・牽牛は夫婦でしたが、毎日遊んでばかり過ごし、仕事をしなくなってしまいました。その為、2人は引き離され、毎日仕事をするように強制されてしまいます。そして、そんな2人が1年に1度だけ出逢える日が、この7月7日だという伝説です。

例年この時期に「湘南ひらつか七夕まつり」が行われます。期間中は、市内全体で約3000本が七夕飾りが登場、大通りには、一際目立つ大型の七夕飾りが80本以上飾り付けられます。この大型の七夕飾りは、高さなんと10メートル以上。「吹流し」も長く煌びやかで、風に吹かれる度にさらさらと揺れ、祭りの華やかさを代表する飾りとして、観光客の目を楽しませてくれます。

7月の旧名「文月(ふみづき)」。これは、七夕になると、短冊に歌や文字を書いた事や、本などの書物を夜風にさらす習慣があった事から、文字や書物にまつわる「文」という字が用いられたとされています。そして現代、七夕の短冊は、願い事を記した色紙となり、笹に飾るのが一般的になりました。笹には、昔から邪気を祓う力があると考えられ、また田んぼなどでは、稲の成育を妨げる害虫を避けるのに用いられるなど、身近な植物だった為、七夕に笹が使われ始めたとも言われています。

「七夕」の時期に食べる行事食の一つ「素麺」。夏を乗り切る為にも、無くてはならない食べ物です。平安時代の七夕では、小麦粉と米粉を練って縄のような形にしたお菓子「むぎなわ」というものが食べられていました。それが室町時代に入ると、織姫のように機織りが上手になるようにとの願いや、姿形が天の川を思わせる事から、「むぎなわ」から、現在の形の麺が食べられるようになったそうです。

7月1日は「童謡の日」です。これは、大正7年7月1日に、童話や童謡を扱った児童雑誌「赤い鳥」が創刊された事を記念したものです。「赤い鳥」は、それまでの堅苦しい説話や唱歌ではなく、子どもの世界を子どもの言葉で描いた、わかりやすい童話・童謡の創作を目指した雑誌でした。発起人は、児童文学者の鈴木三重吉。子どもが子どもらしく生きる事が困難であった当時、彼が「子供の純粋な心を守る一大運動を行う」と宣言した事が全てのきっかけでした。