映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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五十六候「地始めて凍る(ち はじめてこおる)」

二十四節気の暦は立冬!

「地始めて凍る(ち はじめてこおる)」
日ごとに寒さが増し大地が凍り始める。この時期を表した候です。そして、日本中が冬支度を始める頃でもあります。今回の候では、雪吊や帰り花、七五三、ほうれん草、毛蟹など、この季節の話題を楽しくお送りします。

雪がたくさん降る地域では、雪の重みで庭の木々が折れることのないように「雪吊(ゆきづり)」を行います。石川県金沢市の兼六園では、雪吊を施した松の木が、冬の風物詩となっています。確かにこの姿を見ると、いよいよ冬がやってきたなと感じますね。

小春日和のこの時期に、本来とは異なる季節に花が返り咲く事を「帰り花」といいます。 人が忘れた頃に咲くので、「忘れ花」「二度咲」といった言い方もしますよね。ちょっと暖かくなるこの時期に、「もう春が来た」と勘違いして思わず咲いてしまうのです。

11月15日は「七五三」。日本人なら誰もが経験する伝統行事です。男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳の成長を祝って、神社やお寺に詣で健やかに育つ事を願う行事です。始まりは江戸時代の三代将軍徳川家光の四男、徳松の5歳のお祝いを暦の中でも最良の日で、一番縁起の良い日とされていたこの日に行ったからだといわれています。そんな家光公の我が子の健康を想う心が庶民に伝わり、七五三として定着していったのだといいます。

お勧めの旬の野菜は、ほうれん草です。この時期が一番おいしくなるといわれ「寒締め(かんじめ)」と呼ばれる、収穫前に冷温にさらす事もしばしば行われます。ほうれん草は、寒締めすることで甘さがより一層際立ち、栄養素もギュッと凝縮されるのです。代表的な料理といえば、おひたしや胡麻あえですね。 皆さんの食卓には、もう並んでいますか。

寒い時期の味覚として知られる「カニ」。昔は保冷しておく技術がありませんでした。そこで「カニを食べるなら、傷みにくい冬場に食べろ」と言われるようになり、「カニは寒い時期の味覚」として知られるようになりました。さて、そんな寒いこの時期に市場に出回り始めるのが北海道を代表する食材・毛蟹です。甘みのある身と、カニミソが堪りませんよね。