映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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四十四候「鶺鴒鳴く」(せきれい なく)
四十五候「玄鳥去る」(つばめ さる)

二十四節気の暦は白露!

「鶺鴒鳴く(せきれい なく)」
鶺鴒が「チチィ」と可愛らしく鳴く頃を表した候です。
「玄鳥去る(つばめ さる)」
春先に飛来してきた燕が、冬を越す為に日本より南へ旅立っていく事を表した候です。 今回の候は、十五夜、すすき、里芋、兎、月見祭・ふとん太鼓など、この季節の話題を楽しくお送りします。

「十五夜」とは、旧暦の8月15日の夜の事で、新月から十五日目の事でもあります。新暦では、ちょうどこの時期にあたり「中秋の名月」として、古くから鑑賞されてきました。「中秋の名月」とは、「秋の真ん中に出る満月」を意味しています。旧暦では7月から9月が秋となる為、8月15日は秋のちょうど真ん中になります。そして、この日の夜に出る満月という事で、「中秋の名月」と呼ばれるようになったのです。

十五夜の月見に欠かせない植物「すすき」。決して華やかとは言えないすすきに、秋の風情を見出すのは日本人ならではの感覚なのかも知れません。すすきは、夏から秋にかけて、茎の先端に長さ20から30センチ程の穂をつけます。すすきの「すす」は、細い事を意味する「ささ」という言葉が転じたものとされ、すすきが細い植物である事から、この名前が付けられたとされています。

中秋の名月には、この時期に収穫される「里芋」をお供えする風習がある事から、「芋名月」という別名もあります。これは、里芋の丸々とした様子が月を連想させるからだそうです。またこの時期に旬を迎え、実も大きくなります。1つの「親芋」に寄り添うように、「子芋」、「孫芋」とたくさんの芋が連なって出来、その様子が子孫繁栄の縁起物として、正月料理等にも用いられます。

月にまつわる動物と言えば「兎」ですね。月の模様が兎に見える事から、古くから「月には兎が住んでいる」「月で、兎が餅つきをしている」等と語られてきました。長い耳を持ち、全身柔らかい毛で覆われた体で、ぴょんぴょんと跳ね回る姿が、実に可愛らしいですね。このふわふわとした毛から、「薄毛(うすげ)」と呼ばれるようになり、それが転じて「うさぎ」になったとも言われています。

大阪府堺市百舌鳥(もず)八幡宮では、満月と豊作を祝うお祭り「月見祭・ふとん太鼓」が行われます。300年の歴史と伝統がある祭りで、15万人以上の観光客が訪れます。この祭りでは、太鼓を仕込んだ台の上に朱色の座布団を5段重ねにした「ふとん太鼓」と呼ばれる御輿を、およそ70人の担ぎ手が担ぎ、太鼓の音に合わせて「べーらべーらべらしょっしょい」というかけ声と共に、町中を練り歩きます。