映像歳時記 ~七十二候・旧暦が奏でる日本の美
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四十八候「水始めて涸る」(みず はじめてかるる)
四十九候「鴻雁来る」(こうがん きたる)

二十四節気の暦は秋分から寒露!

「水始めて涸る(みず はじめてかるる)」
田の水が涸れ、稲の収穫をする時期を表しています。
「鴻雁来る(こうがん きたる)」
燕などの夏鳥と入れ替わり、雁など冬鳥が日本にやってくる頃を表しています。今回の候は、秋茄子、新蕎麦、啄木鳥、金木犀、長崎くんちなど、この季節の話題を楽しくお送りします。

茄子は、奈良時代に中国から伝わったといわれています。伝来当初は「奈須比(なすび)」という名前で、それが室町時代に、女性たちの間で「おなす」と呼ばれるようになり、やがて「なす」と転じていったといわれています。「秋茄子は嫁に食わすな」秋茄子、と聞いて思い出されるのが、こちらの言葉ではないでしょうか。「秋茄子は美味しいので、嫁には食べさせたくない!」という説と「体を冷やさないようにと、姑が嫁の体を気遣っている」という説。どちらも一理ある気がしますが、皆さんはどちらの説がお好きでしょうか。

こちらの「蕎麦」も秋に旬を迎えます。「そば」とは、「そばむぎ」を省略した言葉だそうです。蕎麦の実は、先が尖っている事から、「尖ったもの」を意味する「稜(そば)」が用いられたといいます。 また蕎麦には、古くから様々な食べ方が存在しています。現在のような麺状にしたものを食べるようになる前は、蕎麦粉にお湯を加え、かき混ぜて団子状にした「蕎麦掻き」が一般的でした。そばの風味を楽しむにはこれに限るそうです。

啄木鳥は、秋になると餌を求めて飛び回る為、秋の山中などでよく見かけられる鳥です。硬いくちばしで木をつつき、中にいる虫を長い舌で食べるという特徴が有名ですね。啄木鳥という名前の由来も、木をつつくことから「きつつき」となったそうです。また漢字に使われている「啄(たく)」という字には、「ついばむ」や「つつく」という意味がある事から、この漢字になったそうです。

こちらは、金木犀です。金木犀という名前は、金木犀の原種である、「銀木犀」が白い花を付けるのに対し、金木犀がオレンジ色の花を咲かせる事から、「銀」に対して「金」という事で、「金木犀」となったと言われています。また、木犀類というこの木の種類の樹皮が、動物のサイの皮に似ている事から、漢字の「犀」という字が用いられているそうです。

長崎県長崎市では、例年10月7日~9日にかけて「長崎くんち」が行われます。国の重要無形民俗文化財に指定され、福岡県の「博多おくんち」、佐賀県の「唐津くんち」と共に「日本三大くんち」の一つにも数えられています。「くんち」とは、この祭りを旧暦の重陽の節句にあたる9月9日に行ってきた事に由来し、9日を長崎県の方言で「くんち」と呼ぶ事から、その名がつけられたと言われています。