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#127

熱中ゲスト:俳優 津川雅彦(後編)

前編では華やかな芸能一家に育ち、16歳で本格的にデビューした当時の初々しい舞台裏。そして、仕事が激減した不遇の時代に出会った「悪役を演じる」ことへの魅力や愛娘の誘拐事件という大変な経験の中で心に決めた生き方を
聞いた。
後編となる今回は、40代で花開いた役者人生に迫る。42歳の時に、映画「マノン」で初めての映画賞を受賞。以降、色好みの中年男性など個性的な役を多く演じてきた津川さん、娯楽映画の巨匠、伊丹十三監督との思い出、そして永遠のライバルだった兄・長門裕之さんへの思いとは。
さらに妻・朝丘雪路さんとの不思議な関係や65歳からの映画監督への挑戦など様々な顔をもつ津川さんのエネルギッシュな生き方を聞く。

42歳で初受賞…津川さんが語る“ラブシーンの極意”

1981年、津川さんは新たな境地を築く作品に出会う。東陽一監督作品「マノン」。魔性の女演じる烏丸せつ子さんに翻弄される金融会社の社長を演じ、42歳にして初の賞となる“ブルーリボン賞助演男優賞”を受賞した。以降、「色好みな中年男性」を数多く演じ評価を確立し、名女優たちとのラブシーンを繰り広げた。映画「天国の駅」で共演した吉永小百合さんとのエピソードも披露。ラブシーンの名手・津川さんに、その極意をたっぷりと伺う。

「マルサの女」「あげまん」…個性豊かな役を演じた伊丹十三監督作品

現代社会の様々な問題をコミカルかつ風刺的に描く作風で、国内外問わず多くの観客を魅了した伊丹十三監督。津川さんは、監督のデビュー作「お葬式」から、遺作となった「マルタイの女」まで全10作中9作に出演した伊丹作品の常連俳優である。「マルサの女」では国税局の査察官、「あげまん」では女にだらしない大手銀行の支店長、「大病人」では余命1年のがん患者に向き合う大病院の外科医など、それぞれ個性豊かなキャラクターを見事に演じてきた。その津川さんに惚れ込んだ伊丹監督のインタビュー映像と共に、監督から学んだこと、しつこい演出方法などを振り返る。

65歳からの挑戦!「マキノ雅彦」として監督デビュー

65歳の時、津川さんは、祖父・マキノ省三と叔父・マキノ雅弘から続く「マキノ姓」を引き継ぎ、「マキノ雅彦」として映画監督に挑戦。デビュー作「寝ずの番」では、兄の長門裕之さんを落語の師匠役に抜擢。名優・長門裕之の魅力を語る。また、マキノ雅彦監督作すべてに出演し、津川さんと親交のある俳優・岸部一徳さんにインタビュー、その”名監督っぷり”を聞いた。

永遠のライバル 兄・長門裕之さんとの別れと南田洋子さんへの愛

幼い頃から同じ時間を過ごし、共に役者の道を歩み続けてきた兄・長門裕之さん。確執の絶えない時期もあったが、晩年は互いに尊敬しあう、仲のいい兄弟だった。しかし、2011年5月に長門さんは脳溢血で他界…別れは突然訪れた。偶然にもその日、急病を患い集中治療室にいた津川さんが兄との最期を語る。また、最近発見した兄の日記には妻・南田洋子さんへの愛が綴られていたという。永遠のライバル・長門裕之への募る思いを伺う。

世界に伝えたい日本文化…フランスで開催「ジャポニスム2018」への思い

2018年1月、「世界は、日本を待っている。」というメッセージと共に、フランスの名優 アラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンドの写真が日本の主要紙に見開きで掲載された。年齢を重ね、渋みが増した往年の映画スターの姿に、心から励まされたという津川さん。このメッセージは、2018年9月からフランスで開催される日本博「ジャポニスム2018 響きあう魂」に向けて送られたもので、津川さんはそのプロジェクトの一つ「日本の美総合プロジェクト」の座長を務めている。今だからこそ世界にアピールしたい日本文化への思い、開催を控えたプロジェクトへの意気込みとは。

俳優・津川雅彦

生年月日:1940年1月2日
出身地:京都府
身長:171cm
特技:乗馬、茶道
デビュー:1956年「狂った果実」中平康監督(日活)