市長はムコ殿

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ストーリー

第5話  「縁談騒動」

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お節介焼きの町内会長・多後が侑希に見合い話を持ってきたのだが、侑希には見合いできない理由がある。
「俺、もう結婚してるし」
侑希は実家に居候する独身サラリーマンに見えるが、実はれっきとした妻帯者。10ヶ月前に10歳上の女性と結婚したばかりだが、別居状態にあるのだ。彼の妻がどんな女性なのか、真理でさえも会ったことがない。
しかし、その見合い話、簡単には断れなかった。相手方が侑希の写真を見てすっかり気に入ってしまった上に、その父親は市議にも広く顔がきく市の実力者であり、怒らせれば市政にも影響が出かねないというのだ。
「お見合いをして、先方から断ってもらえばいいんですよ。印象を悪くして……」
半田の提案によって、一家は印象を悪くするための"逆お見合い"に踏み切る。

小嶋理沙(25)との見合いの日がやって来た。家族一同、印象を悪くしようと躍起になるのだが、なかなかうまくいかない。侑希とは奇遇にも仕事上の繋がりがあることがわかり、鈴音とは同じ高校で担任までが同じ、あまり裕福でない生活環境をアピールしようものなら、市長の倹約精神に感激される。しまいには乙女が厳しく叱りつけるのだったが、それも逆効果になってしまう。
「私、侑希さんと正式にお付き合いさせて頂きたいと思います。これから家族の一員として認めて頂けるよう頑張ります!」 思惑とはまったく反対の方向に事態は向かっていってしまう。しかも理沙は以前妻のある男に騙されて男性不信に陥っていたという過去を告白し、ますます侑希は本当のことが言い出せなくなってしまう。
そんな時、家の中でベストセラー作家・出雲ヒミコ直筆サイン入りの詩集が発見される。『夫・ユウキへ、妻・ヒミコより』。
「彼女、俺の奥さんなんだ……」
侑希がついに告白する。彼の別居中の妻とは、ベストセラー作家だったのだ。
「皆さんで私のこと騙してたんですね!」
最も恐れていた展開である。理沙の父が経営する会社が協賛している市のイベントが打ち切りになれば、市長の立場が危うくなってしまう。

最悪の事態が想定されていたが、意外にも理沙は侑希を恨むことはなかった。彼女も出雲ヒミコの本のおかげで失恋のショックから立ち直った一人だったのだ。そして侑希も今の別居状態にケジメをつけるために、ある行動を起こそうとしていた……。