スタイルブック Blog

2008年10月アーカイブ

フライブルクの友達

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今日はドイツ・フライブルクに住んでいた頃の、私の友達の事について書かせて頂きます。

私は今から十数年前、10歳の時にフライブルクのカールツシューレというギムナジウム(小学生~高校生が通う学校)に通っていました。

そこは国際都市フライブルクならではの学校で、国籍もフィンランド、ルーマニアもいればトルコやアフガニスタンなど世界各地の子供達が通っていました。けれども極東から来たのは私だけで、当初クラスの皆は物珍しそうにまじまじと私を観察しに集ってきました。

他の子供達は、アルファベットの基礎があったり、何年も住んでいるためドイツ語はペラペラでしたが、私はそうはいかず、ただ毎日ボーっとしているだけでした。

そんなある日、ポーランド人のアダムという男の子が、私に話しかけてくれるようになり、いつの間にか互いの家に遊びに出かける仲にまでなりました。今振り返ると、毎回片言のドイツ語と身振り手振り、そんな日本人によく付き合ってくれたなと思います。

おそらく彼がいなければ、私は引きこもりになっていたんじゃないかな。

今回ロケでフライブルクに来た際に、ダメもとで連絡をとってみたところ、なんと電話に本人が出てくれたのです。嬉しい事に私の事も覚えていてくれました。残念ながら、ドイツの他の都市に一人暮らしをしていて会えませんでしたが、親子でフライブルクでヴァイオリンコンサートを開いたりと、今では音楽家の道を歩んでいるみたいです。

同級生の活躍に刺激をうけながら、ただ今 編集をしております。
フライブルク特集第二弾もよろしくお願いいたします。

STYLEBOOK ドイツ・フライブルク特集 Part 2
「この街に住むということ」
11月1日(土)夜11時30分放送
再放送は中止になりました。

写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]

ドイツの素敵なご夫婦

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今週の STYLEBOOK はドイツ・フライブルクに住む夫婦の特集。

率先的にエコライフを送るロイポルツさん夫妻を3日間にわたって取材。その間、自宅、菜園、買い物など様々なシーンに密着させていただいた。

さすがの強行日程にご夫妻も疲れてしまうのではと危惧したが、まるで逆。普段から客を招くことに喜びを感じている二人にとって、我々も客らしい。市場で買ったクルミをしきりにすすめてくる。

自宅での撮影での事。
奥様の調理シーンを収録したのですが、二人暮らしなのにどうも量が多い。人参、玉ねぎは各4個、牛肉は1.3キロ。何日分のおかずなんだ...。

ふと、気付いた。
そうか、彼女は我々にごちそうするために作っていたのだ。

撮影も終了し、みんな揃って食事。グラーシュと呼ばれる欧風煮込み料理やキノコ入りラビオリなどを振る舞っていただいたが、どれも美味しい。そして「美味しい」といえば、当然のように「おかわり」をくれる。

勘弁して下さいという程、料理を堪能した我々であったが、ラストにはデザートが待っていた。砂糖漬けプラムをたっぷり使ったパイのお出ましである。直径30センチはあろうかというキングサイズ。

もう胃袋に隙間はない。しかし、せっかく作っていただいたデザート。食べなければいけない。

テーブル上のプラムパイは全8切れ。撮影スタッフは5人。夫婦はぜひ食べて欲しいらしく、手を付けない。えーい、ままよ。お腹いっぱいだけどワインで押し込めばなんとかなるだろう。

「旨い!」
絶妙な酸味が食欲を刺激する。

どうやら僕の食べっぷりに奥様は嬉しくなったようだ。僕の皿の上には残り3切れが載っていた。もちろん「美味しい!」とすべてを平らげた。

それを見た奥様が一言。
「もう一枚あるわよ」

ロイポルツ夫妻は本当に素敵な夫婦である。

STYLEBOOK ドイツ・フライブルク特集 Part 2
「この街に住むということ」
11月1日(土)夜11時30分放送

写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]

文字と人間

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原宿ラフォーレミュージアムで今日まで開かれていた「Helvetica」の展示を見てきました。

Helvetica ヘルベチカ とは世界で最も有名な書体のことです。今ではコンピュータ用のフォントとしても使われているので、名前を見たことがある人も多いことだと思います。

1950年代末に作られたこの書体がどれだけ世界を席巻し、今でも全てのデザインに影響を与えているか、ということがわかる展示でした。ポスターや商品パッケージや企業ロゴなど、あれ見たことあるというものがたくさん並んでいました。

面白かったのが1964年の東京オリンピックの競技プログラムです。モダンデザインのお手本のような表紙で、かっちりとした Helvetica という書体が、このイベントの新しさや国際性を表現していたんだなということが良くわかりました。

会場では Helvetica の誕生と影響を解説するドキュメンタリー映画が上映されていました。今のデザイナーが、前時代のデザインばかりだった50年代末から60年代初め、 Helvetica が初めて登場した時の人々へ与えた衝撃をこのように言い表していました。

「まるで砂漠を歩き続けて来た後、冷たい水を飲んだ時のよう」

なんと、素敵な表現。Helvetica の持つ意味の大きさをよく伝えてくれます。

この言葉を聞いて、以前 STYLEBOOK でお話をうかがった字游工房の鳥海(とりのうみ)さんの言葉を思い出しました。鳥海さんは、ぼくたちが大好きなフォント、ヒラギノを作ったチームの一人です。

「これからも、水のような、空気のような、書体を作って行かなければいけない」

文字は人間のアイデンティティの一つ、とても人間的なものです。だから一つ一つの文字は音や意味を表す記号ではなく、それ以上の大きな意味を持っているのではないかと思います。そんなことを考えました。

ドイツと日本のクラインガルテン

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STYLEBOOK のドイツ・フライブルク特集。第2弾はいよいよ、地元フライブルクに住むロイポルツさん夫妻の生活を一日「おっかけ取材」します。本や映画で見るドイツではなく、リアルなフライブルクの住民の生活はどういうものか? とても貴重な映像だと思います。

今回ご紹介する場所の一つがフライブルクのクラインガルテン。

クラインガルテンとはドイツでは法律にも制定されている農地の貸借制度で、利用者はその土地にラウベと呼ばれる小屋を建て、野菜や果物を栽培することが出来るというものです。

実は、STYLEBOOKでも今から2年程前に、茨城県の笠間市にある「笠間クラインガルテン」を取材しています。

この笠間クラインガルテンも含めて、日本のクラインガルテンの良いところは、ドイツのクラインガルテンとは違って、ラウベに宿泊可能するこが出来るので、より別荘的な使い方が出来ること。

またクラインガルテンの中で、野菜を作る際に使う道具を貸し出していたり、種なども販売している所が多いので、初心者でも安心して農業体験をする事が挙げられます。

ライフスタイルの一つのアクセントとして、都会の喧騒を離れて週末だけの農業体験が出来るクラインガルテン。是非、取り入れてみては如何でしょうか?

写真 フライブルクのクラインガルテン:岡 亨[STYLEBOOK]

スタイルブック
ドイツ・フライブルク特集 第2弾
「この街に暮らすということ」
11月1日(土)よる11時30分放送

ご意見、ご希望は掲示板に!

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この「スタッフ ブログ」は、いわゆるブログと違ってトラックバックやコメントもできない仕様になっています。
おそれいりますが、感想、ご希望、ご意見は、掲示板にお願いします!

STYLEBOOK の番組ホームページは
http://www.bs-asahi.co.jp/style/
よろしくお願いします。

ドイツ・フライブルク特集 いよいよ今夜

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こんにちは岡です。

先日、フライブルクについて書かせてもらいましたが、
今回も私の昔話におつきあいいただければと思います。

私がフライブルクで十数年前住んでいた家は、通っていた小学校から2キロ以上離れていました。バスも通っていたんですが、私はこれに乗るのがたまらなく嫌で、いつも40分以上かけて歩いていました。なぜ嫌かというと、そのバスは学校までは行かないので、近くで降りて共同墓地の中を抜けて行かなければいけなかったのです。

当時9歳だった私にとって、墓地なんて怖いイメージしかありませんでした。

けれどもある時、遅刻しそうになって、仕方なしにバスに乗らなければいけなくなりました。
「おい知ってるか? あの墓地の赤い建物、あれは火葬場なんだ。毎日あそこで人を焼いているんだぜ。」
そう友達のドイツ人に聞いていた私は、なるべく赤い建物を見ずに、ただただ下を向きながら全力疾走して墓地を突っ切った思い出があります。

先日のロケで、その共同墓地の近くに行ったのでちょっと立ち寄ったのですが、緑のきれいなのどかな空間という印象でした。

子供心でイメージを膨らませすぎたのでしょう。けれども何よりも驚いたのは、子供の頃は恐怖の対象でしかなかったあの赤い建物が、火葬場ではなく実は教会だったという事です。

できればその事実は知りたくなかったあ...と思いながらも毎日フライブルクの映像を編集しています。

そんなドイツ・フライブルク特集の第一弾は、いよいよ
10月25日深夜0時15分放送(土曜の夜の12時15分)です。
お楽しみに。

写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]


電動アシスト自転車 撮影開始

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11月中旬放送予定の「電動アシスト自転車」のロケがスタート。

ロケ一日目となる昨日は、世界初の電動アシストリカンベント「Tartaruga Type RE」を撮影してきました。

車輌の貸し出し、撮影にご協力を頂いたのは、葛飾区の京成お花茶屋駅の商店街にある「サイクルハウスしぶやお花茶屋店」。フォールディングバイクと小径車の専門店で、完成車とパーツの販売、カスタム、試乗サービスなども行っています。

サイクルハウスしぶやで、初体験となるリカンベントの簡単な乗り方のコツの説明を受けて、撮影場所の水元公園まで約15分程「Tartaruga Type RE」を試乗。まるでリビングの椅子に腰を掛けたままの姿勢でペダルを漕ぐ感覚は、それだけで普通の自転車とは一味も二味も違う楽しさがあります。またその独特の姿勢から得られるアイポイントの低さは、自転車を乗りたての子供の頃の気分に戻る事が出来ます。

そんなこともあって、撮影場所の水元公園まの移動はちょっとした冒険という感じ。またリカンベントに乗っていると信号待ちの間で、隣に停まった自転車のおじさんやおばさんに話掛けられるので、楽しさも倍増。しかもこいつはただのリカンベントではなく、電動アシスト搭載なので移動自体は快適そのもの。

撮影終了後のサイクルハウスしぶやさんまでの戻り道は、少し雨が降っていたのにも係わらず、行きとは別の道を通って楽しんでしまいました。

写真:佐藤充能[STYLEBOOK]

〈サイクルハウスしぶやお花茶屋店〉
東京都葛飾区お花茶屋1-26-2
TEL:03-5650-2510

人が主役の街、フライブルク

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10月25日(土)から全3回で放送されるドイツ・フライブルク特集。

過去2回ほど、市の中心と郊外と、それぞれ1週間に渡って滞在したことがあるのですが、今思い返しても本当に気分の良い街でした。

その理由は「人が主役」の街作り。

ドイツは自動車大国ですが、自動車を市の中心から排除する街が増えています。ベンツやポルシェのお膝元、シュツットガルトもそう。

そして、このお手本になったのが、他ならぬフライブルク。
自動車を排除することで、街の中心の広場に人が集まり、人が主役になったんです。

ハイビジョン映像で、そのリアルな魅力をぜひ感じてください。

ドイツ・フライブルク特集の第一弾は
10月25日深夜0時15分放送(土曜の夜の12時15分です)。

写真:渋谷康人(2003年撮影)

旅番組の魅力とは

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先日のエッセイでフライブルクで過ごしたことを書いた岡くんと違い、ぼくたちが子供の頃は(内容で年齢をお察しください)外国を知るには小説やテレビや映画しかありませんでした。「兼高かおる 世界の旅」「すばらしい世界旅行」で見る外国はやはり宇宙と同じぐらい遠く感じたものです。

やがて海外を紹介する番組が増え、いわゆる名所旧跡はほとんどテレビで紹介されるようになりました。また「世界まるごとHOWマッチ」のような番組が、その国の美しい所、豪華な所だけでなく醜い所や貧しい所も紹介するようになり、テレビでも本当に外国のことを身近にわかるようになってきました。

STYLEBOOK は海外取材番組ではないので、特に意識するわけではないのですが、他と同じような内容や構成の番組を作るつもりは全くない。だとしたらどんなことができるだろう。今回のドイツ・フライブルク取材では、取材前にまずそういうことを考えました。

「環境首都・フライブルク」これは大きなテーマです。しかしNPOのレポートビデオではないですから、それだけではつまらない。そこで、(フライブルクに住んでいた岡くんの家族も含めて)街のことを色々調べているうちにわかってきたのが、この街の魅力は、行政としての環境問題解決だけではなく、自然な街の人々の生き方だということでした。

今回のドイツ・フライブルク特集は、だからある日のフライブルクの普通の様子、普通の人々が取材されています。もちろん歴史がある魅力的な街ですから、建物や町並みなどの旅番組としての面白さも満点です。それに加えてフライブルクでリアルに生活している人たちが出演します。

そこからその街の全てを知ることはできないかもしれない。しかし、その街の名所を観光するだけではわからない何かがわかる。そんな番組になっているはずです。お楽しみに。
写真:佐藤タダシ[STYLEBOOK]

ドイツ・フライブルク特集の第一弾は
10月25日深夜0時15分放送(土曜の夜の12時15分です)。

履いてみました

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最近、久しぶりに大きな買い物をしました。

何買ったって?
それはね、昨年の STYLEBOOK の「スタッフフェイバリット」で、僕が挙げたタイヤ「ポテンザRE050」です。やっぱり紹介したからには、実際に自分で購入しないと。一年経ちましたが有言実行。

そんなこともあり、先日久しぶりの一泊旅行で我が愛車アコードユーロRを駆り、長野の松本までロングドライブ。高速とかワインディングじゃないと滅多に使わない6速マニュアルを駆使してのドライブは実に爽快。

最近、GT-RやM3などの高性能な2ペダル・マニュアルを搭載したスポーツカーが続々と登場して、従来からの3ペダルのマニュアル車は忘れさられよとしていますが、車を操る醍醐味という点ではまだまだ負けないのでは。そんな事を考えながら、今日もガチャガチャと6個のギアを操っています。

思い出の街、ドイツ・フライブルク

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実は、ドイツのフライブルクという街は、僕が小学生の頃過ごした街なんです。

この街の特徴は、中世の街並がそっくりそのまま残っていて、しかも今でも施設として使われていること。街には13世紀に建てられた門があるのですが、この門の下を路面電車でくぐるのがたまらなく気持ちいい。

そして道路の両脇に流れる、幅30cm、深さ20cmのベッヒレという水路。これはなんと12世紀からあるものなんです。

近くの川から水を引いて流しているんですけれども、夏に学校の友達と水路で水遊びをよくしました。

そんなノスタルジックな気分を感じながら、編集快調です!

不思議な街のドイツ・フライブルク特集の第一弾は
10月25日深夜0時15分放送(土曜の夜の12時15分です)。
お楽しみに!


数字に出ること、出ないこと

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またまた Apple の話(しかも孫引き)で始めて恐縮ですが、こんなエピソードがあります。

何年か前、世間的に見ると小さい Macintosh のシェアについて報道陣にきかれてスティーヴ・ジョブズはこう答えたと言います。「シェアが小さいことはあまり気にしていない。BMWのシェアが小さいからといってBMWに意味がないと考える人間がいるだろうか?」

STYLEBOOKのようなBSデジタル放送の番組は、地上波の番組と比べて明らかに視聴者の数は少ないようです(これも自分で計った訳ではないので想像ですが)。しかし世の中にはあえて地上波のゴールデンタイムの番組ではなく STYLEBOOK を選ぶと言ってくださるお客様が増えているというのが、実感としてわかります。

よくあるのが、スタッフが取材にうかがうと、よく取材先の方が「知っていますよ」「いつも見ています」とおっしゃってくださることです。

つい先日も嬉しい話をききました。
番組で取材にうかがった銀座 髙橋洋服店さんに、放送を伝えていなかった銀座のお仲間から「スタイルブックに出てたでしょ」と連絡が来たそうです。さすが銀座の方たちはお目が高い。お客さまとして出ていただいた青山さんもヨット仲間から「スタイルブックに出てらした方ですね」と言われたと聞いています。さすがヨットマンはお目が高い。

ほかのお店でも、番組を見たと言ってお店にみえる方が増えた、ということをよくうかがいます。STYLEBOOKが扱うテーマや作り方が、対象にしているみなさんと合っているということでしょうか?

テレビ番組である限りたくさんの方に見ていただきたいのは当然のこと。本当に番組を気に入ってくださる方たちを裏切らずにそういうことができれば一番だな、と制作スタッフ全員考えています。シェアが小さいと言われた Macintosh も着実に使う人が増えているようですからね。

そんな僕たちの最新の渾身企画が「幸せな街、ドイツ・フライブルク」
10月25日(土)深夜0時15分(土曜の夜12時15分のことです)放送です。

平安・鎌倉時代から続くホテル

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10月25日(土)放送のスタイルブックでご紹介するドイツの街フライブルク。

日本ではそれほど「メジャー」な所ではありませんが、実はドイツだけではなくスイスを訪れる人にとっても便利な場所にあります。世界最大の時計と宝飾品の見本市・バーゼルフェアが催されるスイスのバーゼル市から50km。フライブルクをバーゼル取材の拠点にする人もいて、我が番組のスーパーバイザー、〈モノジャーナリスト〉の渋谷康人さんも泊まったことがあるそうです。

今回、スタイルブックのスタッフが宿泊したのが旧市街(街の中心地)にあるホテル ツム・ローテン・ベーレン。日本語に訳すと「赤熊亭」でしょうか。創立はなんと街ができた1120年にまでさかのぼり、現在のような形になったのは1311年といわれています。現在の支配人はそこから数えて51代目!

もちろん25日放送の番組ではこのホテル ツム・ローテン・ベーレンも紹介します。
お楽しみに!

STYLEBOOK 特集「過去と未来をつなぐ街」
10月25日(土)深夜0時15分から(土曜の夜の12時15分です)

茶室とは何か

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今夜放送のスタイルブックは「茶の湯」。番組では初めて建築家の隈研吾さんにインタビューしています。

そこでうかがった中で最も刺激的な言葉「極端なことをいえば、茶室でお茶を点てるかどうかはどうでもいい」。もちろんレトリックであって、お茶に対する敬意があるからこそだと思います。

大事なのは隈さんがなぜ茶室を設計するかの部分。これは建築を生業にしているしている人だけではなく、あらゆる人にとって考えさせられる話だと思います。ぜひご覧ください。

ちなみに、今回は「空間日誌」でご紹介するお宅も隈研吾さんのところの設計だそうです。

STYLEBOOK「茶の湯」
10月18日(土)夜11時30分
再放送:10月19日(日)夜11時30分

紙物の先物買い

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ペンとかノートとかバッグとか、日常使いの文具やツールは誰でも気になる物です。それがあまり高額でなければ、衝動買いをしてしまってもそれほど後悔しなくてすみます。そして誰でも買える物だからこそ、人それぞれのセンスが表れます。

今、ぼくが気に入っているのはイギリスの Paperchase というお店。すごくポップなノートも売っているし、シックな物もあり、見ているとどれも、本当にどれでも欲しくなってしまいます。

今は残念ながら店に行かなければ買えません。日本からはネット通販もできません。もし日本に正式に輸入されたら大ヒット間違いなしだと思うのですが、されないのは何か理由があるのかな? 

イギリスに行かれるチャンスがあったらぜひ寄ってみることをお勧めします。ただし紙物は意外にかさばり重さもあるので、おみやげにすると大変なんですよね。

ドイツの街から

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スタイルブックでは 10月25日(土)から3週連続で海外取材の特集を放送します。

紹介するのはドイツのフライブルク。ドイツ、イタリア、スイスの国境近くにある古い町です。テレビの番組でドイツ取材といえば、たいていミュンヘンやフランクフルトやベルリンなどの都市や、自動車などのブランドを撮影することが多いと思います。しかし スタイルブック はフライブルクを選びました。

それは何故か?

理由はいくつもありますが、その一つは、この街が環境先進国といわれるドイツの中でも「環境首都」と呼ばれていること。しかしエコロジー、エコロジーと声高に言うのでは無く、普段の生活が自然と環境を意識するものになっていることです。

日本で言えば、東京オリンピック以前の良い所を残しつつ、新しいシステムを取り入れている、という感じでしょうか。映像を見ていただければ良くわかっていただけると思います。

第一回の放送は10月25日(土)深夜0時15分から(土曜の夜の12時15分です)。遅い時間ですが、ぜひお楽しみに。

「未来の老舗ブランド」を見つける

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一般的に高級ブランドの商品というと流行や値段がどうしても話題になりがちです。

しかし、STYLEBOOK は少し違う見方をします。それはデザイナーや職人が伝統に誇りを持って作ったものかどうかということです。そうすると、定番と呼ばれるモノは、やはり細かい所まで心遣いが行き届き、ていねいな作りがなされていて、長く愛されるのは当然、金額の張るのも当然、ということがわかってくるのです。

そういうブランドは一朝一夕にできるものではありません。
しかし、そういう精神でモノづくりを始めている人は、日本にたくさん生まれています。

STYLEBOOK では、現在、若いデザイナーの中から、レザー製品を作っている方を何件か取材すべく動いています。お楽しみに。〈未来の名門ブランド〉を見つけるチャンスだと思いますよ。

ご意見、ご希望、コメントは掲示板に!

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このブログは、いわゆるブログと違ってハイパーリンクができないし、トラックバックやコメントもできない仕様になっています。
おそれいりますが、感想、ご希望、ご意見は、掲示板にお願いします!

また、どうやら 検索エンジンにもひっかからないようなので、ぜひ口コミで存在を広めてください。

STYLEBOOK の番組ホームページは
http://www.bs-asahi.co.jp/style/
よろしくお願いします!

削ることで表れてくるもの ~Apple の新製品~

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今日のスタイルブックの会議の話題(雑談ですが)は、間違いなく昨夜発表された新製品 MacBook と MacBook Pro のことになるでしょう。予算さえあればどれも欲しくなるモノばかりですが、先ほど実際にお店でマシンを見てきてこんなことを考えました。

まず、アルミ一枚から作られたという筐体は本当に美しいです。持つことが嬉しくなる、というコンピュータはそうあるものではありませんが、これは裸で見せびらかしながら持ち歩きたくなります。

しかしぼくたちが一番驚いたのは、入門機である MacBook から Firewire ポート(iLink)が無くなっていたことです。Firewireというのは、主にハードディスクやビデオカメラをつなぐ端子です。これが無くなるとはどういうことかと言うと、DVやHDVというテープを使ったビデオカメラからの取込みや書出しができなくなる、ということなのです。

これまであれほど「ホームビデオを撮って自分で編集して、作品をみんなに配りましょう」と言っていたのに、なぜでしょうか? 

答は一つ。一般消費者向けのビデオカメラは、今後 DVやHDVのようなテープメディアでは無くなる、と Apple が考えているからです。おそらく SDカードやDVDに記録するカメラが入門機になると見ているのではないでしょうか? すでにDVやHDVで撮影したテープが世界中でたくさんあるだろうに、これはかなり思い切った判断だと思います。

今年の7月12日にアップルストア銀座で催したスタイルブックの公開収録「iPhone 3G から始まる未来 対談:林信行 x 及川卓也」で、お二人ともこんなことをおっしゃっていました。外部端子を無くした MacBook Air も、今の携帯電話にあるボタンや、ブラウザにあるFlashという機能を持たない iPhone も、Apple が要らないと考えるものは削ってしまうというところが潔い。

これらの製品には機能を増やしボタンを増やしていく進化と全く違う「美学」があります。美学を持つ製品、美学を持つ企業。そういうものが、スタイルブックは大好きです。

「Less is more」(ミース・ファン・デル・ローエ)

「あるものが完成したと言えるのは、もはや付け加えることが何も無くなった時ではない、削りとることが無くなった時のことを言うのだ」(サン=テグジュペリ)

前向きに振り返る、あるいは後ろ向きで前進する

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以前、ナガオカケンメイさんの「60VISION」をスタイルブックで紹介した時に考えたことです(2007年9月29日、2008年10月4日)。その時のタイトルが「前向きに振り返る」。

60年代デザインの再評価というと、よく雑誌で特集されるような「レトロ」「レトロフューチャー」趣味と思われがちですが、ぼくたちには 60VISION の仕事はどうしてもそうは思えなかった。お話をうかがってやはり 60VISION は「前向きに振り返っている」のだと確信しました。

過去を振り返らずに未来は生まれない。これはもちろんスタイルブックの独創ではなく、昔から色々な人が言っていることです。未来とは前にあるのではない。我々は過去を振り返りながら後ろ向きで未来に向かっているのだ、という考え方です。ここには歴史に学ぶというような紋切り型の考えとはちょっと違うニュアンスがあるような気がします。

たとえば20世紀末のフォークカルチャーで最も重要な動きの一つ、ヒップホップ。これこそ前向きに振り返ったからこそ生まれた文化ではないでしょうか? JBやPファンクやサム&デイブやBBキングが当たり前のように家にあったから、そういう親の代が聞いていた音楽を若い世代が「発見」したからこそ、来るべくして来た活動という気がします。それ以前のロックやフォークだって同様です。かつて鮎川誠さんに「ビートルズでロックンロールに目覚めた後、R&Bやブルースを追求し始めた理由は?」ときいたところ「本当に好きだったら、さらに深く追いかけるのは当然でしょう」という答が返ってきました。

ひるがえって、ぼくたち日本の今の状況はどうでしょう? 未来をどこに探しているのか。横や上や斜めを見ていないでしょうか。

PS.
スタンフォード大学教授・ローレンス・レッシグが Free Culture で繰返し言っています。
「Creativity and innovation always builds on the past. 創造性や革新は常に過去を基に生まれる」(もちろん、この後レッシグは「過去はそうして生まれた創造や革新を支配しようとする」と話を続け、オープンソースの重要さを語るのですが)
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自分を見つめる時間

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スタイルブック 次回の特集は「茶の湯」。

先日、取材と打ち合わせを兼ねて裏千家の茶道家・北見宗幸さんの茶室に伺いました。
お話をうかがっているうちに、なんとなく「今、スタイルブック世代が“茶の湯”に魅力を感じる理由』が解って来たような気がします(最初の打合せで僭越ですが…あくまで「気がする」ということで)。

例えば、亭主は茶室や茶器などにもてなしの心を投影します。茶会の席で出される茶器や茶室という空間は全て、茶を振舞う亭主がお客のために、「お客の今の心境は?」「どんな器を使えば、茶室をどんな風にしつらえれば客が喜ぶか?」「茶会のテーマは何か?」などを深く考えて選び出されたもの。茶会全てが自分自身なのです。

そのため茶の湯の世界に足を踏み入れた人物は、必然的に茶会の前には必ず「自分自身はどうあるのか」という事を深く考える時間、つまり「自分自身との対話の時間」を持つことになります。

この「自分自身との対話の時間」、本当なら誰でも持とうと思えば直ぐにでも手に入れる事が出来るはずですが、実際は日常に追われるうちに、意識をしなければ得ることが出来ない貴重な時間になっているのではないでしょうか?

「自分自身との対話の時間」を持つことは、「自分自身を知る」こと。そしてこの事は「今のライフスタイルを見つめ直す機会」に繋がるはずです。今回の「茶の湯」特集がそんなきっかけになればと思います。

「茶の湯」特集は10月18日に放送予定です。

もしもボーナスが入ったら…

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先日の会議にて、「年末に特集をするテーマは何が良いか?」を考えたところ、やはりテレビをご覧になって頂いている方がこの時期に興味があるのは、「冬のボーナスで買いたい物」だろうということに・・・。

そこで STYLEBOOK では12月のボーナス商戦時期に向けて、現在、番組を見たら思わず買いたくなってしまうような「ボーナス時期向けのある企画」を考えています。

その企画の1つは、デジタル物大好きなこの番組でも未だ手を出していなかった「ホームシアター」。ブルーレイディスクの登場、そして各メーカからハイビジョンテレビや高級オーディオが続々と発売される現在、「自宅にホームシアターを持ちたい」と思っている方が急増中!!

現在、ホームシアターの専門家との打ち合わせも進行中。近いうちに「ホームシアター」を特集致しますので御期待下さい。

30万円のスーツの価値

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「スタイルブック」でお話をうかがった 銀座 髙橋洋服店の誂えのスーツは「315,000円前後から」という値段になっています。生地や作りに凝れば当然もっと高くなります。

「普通の人」の感覚でいうと「量販店で数万円で買えるのにそんな高い背広を...」と思うのは当然かもしれません。

しかし、30万円のスーツは10年たってもりっぱに着続けられるものです。作って行く過程でお店の人とじっくり話し合うことになるので、できあがった時には本当に自分のことをわかってくれる洋服店を見つけることになります。主治医を持つようなものでしょうか。

つるしの背広を何の感慨もなく着つぶして10年過ごすのと、着る度に誇りを思い出す服を持つのとどっちが幸せでしょう。

とはいえ、先立つ物が無ければ話も始まらないんですけどね。

髙橋洋服店
(もしちゃんと表示されていないとしたら、髙の字は「はしご高」です)
http://www.ginza-takahashi.co.jp/

今夜の放送「男にとってスーツとは...」

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「男にとってスーツとは、ファッションであってはならない」
今夜放送の STYLEBOOK の取材でお世話になった 銀座 髙橋洋服店三代目社長の言葉です。創業1903年、銀座で一番古い注文洋服店である髙橋洋服店。「老舗」という言葉が大安売りされている現在ですが、こちらは本当の本物。そんな髙橋さんが考えるスーツとはどういうものか。ぜひ番組をご覧ください。

放送:10月11日(土)夜11時30分 再放送:10月12日(土)夜11時30分です。

新しいコミュニケーションの手段

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携帯電話の登場とともに大きく変わったコミュニケーションの手段ですが、電話やメール、ファックスなど以外でみなさんはどのようにしてお知合いと連絡をとっていますか?

今、スタイルブックの中で流行っているのはインターネットの「Twitter(トゥイッター)」というサービスです。これはちょっと説明が難しいのですが、超巨大掲示板に140文字までのメッセージを載せられ、それを誰でも読むことができるというもの(本当はちょっと違うのでしょうが、まぁそんなイメージ)。そのメッセージ自体は「tweet = さえずる」という言葉から想像できるように、基本は「いまなにしてる?」と聞かれて答える形の〈独り言〉です。

しかし、たとえば気になるメッセージにはコメントを送ることができまし、また、相手を特定してその人にしか見られないようにメッセージを送ることもできます。

世界中で誰かがさえずる(つぶやく)のですから、メッセージはとてつもない量になります。それを整理して表示するためのソフトがいくつもあります。今、ぼくたちが使っているのは Twinkle というアプリケーション。これはとても面白くて、メッセージに位置情報をつけられるので「自分の周り○○km にいる人のつぶやき」というものを指定して見ることができるのです。「3日前に静岡駅で誰かが残したつぶやき」を見られたり、時には「この近くで中華のおいしい店ありますか」という質問に答が返って来たりします。

こうして説明すると複雑に見えますが、まずは使ってみることをお勧めします。未来が既にここにあるという感じがしますよ。

Twitter は http://twitter.com/
Twinkle は http://tapulous.com/twinkle/ (英語のページです)


美術館のお話 2ネタ

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デザイン、スタイル、を切り口にする STYLEBOOK ですから、ぼくたちは普段から美術館や博物館にもよく行きます。まもなく終了してしまう展示の中からおすすめを2点(ごめんなさい、両方とも東京です)。

1つは白金の東京都庭園美術館。10月13日まで「庭園美術館建物公開 アール デコの館」という企画で、旧朝香宮邸である美術館の建物の内部を見られ、しかも写真の撮影も許可されているという企画です。庭や建築そのものももちろん素敵なのですが、壁、階段、調度品などから、ラジエーターカバー等にいたるまで、アール・デコが日本にどのように伝わり、そして日本のデザイナーたちがいかにそれを自分たちのものにしていったかがわかる「展示」です。
アール・デコが今の日本人にしっくり来るのは、それが芸術と産業、技術がむすびついたものだからではないか、というようなことをふと思いました。

もう一つは、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアム。イギリス・ヴィクトリア朝の画家・ミレイ展。こちらは何といっても「オフィーリア」です。昔から美術史の本や、色々な印刷物では見たことがあり、最も好きな絵の一つです。本物は今までの全ての経験が吹き飛ぶほど素晴らしい。色の鮮やかさ、立体感、透明感。
そして驚いたのはこの作品を描いたとき、ミレイはまだ23歳だったということ。こんな大傑作を描いてしまったら、もう二度と絵筆をとれなくなるのでは、と思いますが、そんなことは全くなく、ミレイはずっと絵を描き続け英国絵画界の巨匠となるのです。溜め息がでますね。

東京都庭園美術館「庭園美術館建物公開 アール デコの館」は10/13まで。
Bunkamura ザ・ミュージアム「ミレイ展」は10/26まで。

このページは…

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このページはできるだけ頻繁に更新していきます。1日に何回もチェックしていただければ、面白情報が手に入りますよ!

iPhone ユーザーたち

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ロングライフのものが好きな STYLEBOOK ですが、新しいモノも大好き。スタッフ内の iPhone ユーザーはなんと7人! 毎週、会議の度にアプリや使い方の情報交換をしています。
この原稿も iPhone から送っています。ちゃんと表示されるかな?

こんなスタッフが作っています!

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こんにちは。
STYLEBOOK のページをご覧くださってありがとうございます。
自己紹介にかわり、以前放送した「スタッフのお気に入り」リストを掲載してみます。昨年の情報なので今は変わっているかもしれませんが、どんな趣味・性癖があるのかわかっていただけるのではないかと思います。
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ディレクター 坂井宏爾
ソメスサドル
ルコックのスニーカー
ビリー・ワイルダー「アパートの鍵貸します」

ライター 平村隼人
COATED A5
ip20のデスクマット
MARITHE+FRANCOIS ジーンズ

リサーチャー 平川兼弘
パナマ帽
キャニオニング
ロリーナ・ピンクレモネード

ライター 篠原和也
Zippo
Grips ストロール
「探偵物語」

リサーチャー 佐藤充能
ブリジストン ポテンザ「RE050」
レカロシート
オーダーR(革製品ブランド)

ディレクター 石田年弘
黒龍 二左衛門
「カフカとの対話」
ヤマハ BB1200

ディレクター 佐藤タダシ
レンザティック・コンパス
リコー Caplio GX100
シットオンタイプ カヤック

ディレクター 洪 龍吉
ペリカーノ
RHODIA
ポール・オースター「わがタイプライターの物語」

ディレクター 小池伊織
岡本喜八DVDボックス
レスポール・ジュニア
ビリヤード・キュー 「メウチ」

ライター 小久保剛
小川未明の幻想文学
フジカ シングルエイトP2

スーパーバイザー 渋谷康人
ハブリング・ツー タイムオンリー
ジラソーレ
世界一周チケットと休暇

ライター 三矢 賢
The Office(テレビドラマ)
岡本太郎「壁を破る言葉」

ライター 渡部 創
ヤマハ MT01
BOSE M3
グレン・グールド

ナレーター 中井和哉
CX6(修正テープ)
アルバ ピコ スタンダード

プロデューサー 次廣 靖
iPhone
ポールスミスの花柄シャツ
ブライアン・ウィルソン「SMiLE」

プロデューサー 有賀史英
アルファロメオ159
オークビレッジ タイムチェア
ルイ・ロデレール・クリスタル