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音の風景

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今、STYLEBOOKでは「サウンドスケープ」を特集する企画を計画中です。

このサウンドスケープとは、カナダの著名な現代音楽作曲家 レイモンド・マリー・シェーファーが提唱したという新しい概念で、サウンドとスケープという言葉からもわかるとおり、音のランドスケープ。日本語にすると「音風景」。

その概念を簡単に言うと、景観 (景色や風景、街並みなど) の中には、目に見えるものだけではなく、耳から聞こえてくる音も含まれているというもの。産業革命以降、機械文明に発達により、本来あったはずの自然が生み出す豊かな音色は失われ、今世界はかつてないほど喧騒の中にいる。サウンドスケープとはそんな現代の音環境に対して警鐘を鳴らし、音環境について深く考えていこうという運動でもあるのです。

そんな訳で、さっそくレイモンド・マリー・シェーファーの著書『世界の調律-サウンドスケープとはなにか』を読んでみたら、なんだか妙にノイズに敏感になってしまい困惑中。特にパソコンが出す音がとても不快に感じてきました。最近なんか調子が悪いのか、僕のパソコンは常にモーターが廻っている様なファンが廻っている様な耳障りなノイズをずっと出す。そんなにボリュームが大きいわけではないのですが、もの凄く不快。

シェーファーの著書『世界の調律-サウンドスケープとはなにか』は、本格的なIT時代を迎える少し昔に書かれたもの。この本の中では特に、パソコンが出す音については触れられていなかったが、ほんの少しの間で世界には新たなノイズが登場している事を痛感しました。僕達を快適にしてくれるはずのものが、同時に僕達に苦痛をもたらすものだなんて、なんたる皮肉な事でしょうか。

そんな事を考えながら、今日も五月蝿いパソコンの前でお仕事する毎日。次の休みには静かな田舎の温泉で、川のせせらぎなんか聞きながらお風呂に入りたい。

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