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西新宿定点撮影40年

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日本のCI、コーポレートブランディングの第一人者、中西元男さんが企画制作されている西新宿定点撮影のことを、以前「位置情報の未来」という回(2009年5月30日放送)でご紹介しました。

じつは昨日はその最初の撮影がおこなわれた1969年7月10日からちょうど40年という記念すべき日だったのです。

5月に中西さんから、この日に撮影があるということをうかがった時、ぜひわれわれスタイルブックも立会わせてくださいとお願いしていました。そして気持ちよくご了承いただき、あの画期的なプロジェクトがどのように作られているかの一部分を見せていただきました。

7月10日の東京は朝から風が強く、天気予報も曇りときどき雨、という不安な天気。基本的に天気が悪い場合は撮影中止のため、ずっと心配していたのですが、午後になると次第に明るくなりほっと一息。夕方に向けて時間がたつと日が射して来ました。

定点撮影の写真は山田脩二、垂見健吾、田中一光の各氏が担当して来られました。現在は嶋村秀人さんが撮影されています。嶋村さんが担当されてからもすでに20年!

嶋村さんと中西さんとの後ろについて撮影現場のビルの屋上に上がりました。すでに写真やDVDでその光景を見たことがあるのですが、やはりそこから見る西新宿は特別に思われました。左(北)の青梅街道方面に新宿アイランドタワー、そして東京都庁舎、真ん中にこのプロジェクトの原点ともいえる京王プラザホテル、そして新宿パークタワー。

今見ると当たり前のようにきちっと収まった西新宿の高層ビル群。それを撮影するのにうってつけの撮影ポジション。しかし考えてみてください。40年前ここにはほとんど何も無かったのです。一体何を根拠にこの場所で、あの角度で、あのサイズで撮影を始めたのでしょう?

1969年当時、定点撮影の候補地はいくつかあったそうなのですが、条件や将来の予測をして決まったのが西新宿。そして撮影の基地を決めて構図を考えたのは、初代撮影者の山田脩二さんだったそうです。撮影場所自体、当時めずらしかった十数階建てのビル。そして「今後、西新宿にビル群が建つとしたら、おそらく駅に近い方から順に、駅に平行して建つに違いない」こう山田さんは読んだそうです。はたしてその通り計画は進みました。

都市計画もデザインの大きな対象、ということで中西さんが始められたこの「西新宿定点撮影40年」。今後のスタイルブックでも、あらためて紹介する予定です。お楽しみに。

(写真 左:中西氏、右:嶋村氏)

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