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2010年1月アーカイブ

銀座で「デザイン浴」

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銀座に行った時、いつも立ち寄る場所があります。

 
「銀座松屋」の7階
「デザイン・コレクション」。
日本を中心に、世界中の優れたデザインのモノが売られています。なんたって、歴史がスゴイ。1955年(昭和30年)から松屋にあるんですから。
 

決して広いスペースではありませんが、そこがイイ。ほどよい数が、本当に心地良いんです。

ディスプレイにも配慮されていて、まるでデザインのギャラリー。行ったことない方は、足を運んでください。銀座で「デザイン浴」、気持ちいいですよ~。

さてさて、デザインコレクションに並んでいるモノは、「選定会」と呼ばれる厳しい審査に合格したものです。審査をするのは「日本デザインコミッティー」のメンバー。「デザインの啓蒙」を旗印に、1953年発足。初期メンバーに、亀倉雄策、剣持勇、柳宗理、丹下健三、清家清、岡本太郎などなど、そうそうたる顔ぶれ。現在も、一線で活躍するデザイナー、建築家などがメンバーです。

メンバーが集まって行われる「選定会」、なんと今回「STYLEBOOK」で取材することができたんです!

テーブルの上に、整然と並べられた十数点の品々。それらをひとつひとつ、メンバーが本音で意見を言い合うのです。

「デザインもいいし、使いやすいけど、本当に必要な道具なの?」
「流行に追随してるだけ。新鮮味ナシ!」
「潔い、と見ればイイ。でも、伝わりにくいね」

ケンケンガクガク、そして丁々発止。合格か否かは、挙手による多数決です。

緊張感あふれる選定会の様子は、1月30日放送「デザイン・ショップ」をご覧下さい。

メンバーのひとり、グラフィックデザイナー原研哉さんにお話を伺いました。めったに見られない選定会は、まさに貴重な映像。
デザインファンは必見ですよ!

 

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「出会いの喜び 〜デザイン・ショップ」
1月30日(土)よる11時30分
BS朝日

2010年のジュネーブサロン

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高級時計ブランドからも、iPhone用アプリが登場!

1月18日から20日まで、カルティエやジャガー・ルクルトなど名門時計ブランドが一斉に新作をお披露目するスイスの高級時計展示会・ジュネーブサロンの取材に行っていました。実は私は番組のスーパーバイザーであると共に、時計ジャーナリストでもあるのです。


ジュネーブサロンを最初に取材したのは1995年ですから、今年で実に16年目。そこでいつも感じてきたのは、名門と言われる時計ブランドの時代を捉えたプロモーション力、イメージ構築力の凄さです。ひとことでいえば、売り込みのうまさ、です。


そんなジュネーブサロンで、時計以外に面白いモノを出してくれたのが、この番組で工場ルポもお届けしたスイスの高級時計ブランドIWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)。何とiPhoneアプリをリリースして、ブースでも公開していました。

 
これが、なかなかに面白い! どんなモデルがあるか。その中に組み込まれたメカニズムの解説から、何とiPhoneのカメラ機能を使って、自分の腕に気になるモデルがどう映えるか、ヴァーチャルにフィッティングできるんです。おまけに日本語で楽しめます。

同様に名門時計ブランドが出しているアプリでは、2009年に登場した、時計の組み立てがゲーム感覚で体験できるジャガー・ルクルトのiPhoneアプリ(英語版)も秀逸ですが、フィッティングできるというアイデアはおそらく初めて。

改めて感心しました。


IWCとジャガー・ルクルトのiPhoneアプリ、どちらも無料ですから、iPhoneやiPod touchをお持ちの方はぜひ試してみてください。


それにしても、昨年2009年のジュネーブサロンはリーマンショックの直後で、誰もがうつむきがちでしたが、インタビューしてみると今年は名門ブランドの経営者たちは、かなり元気で強気。ホントに、彼らが言うように景気が回復するといいんですが。


ひさしぶりにレコード店でCD購入

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Prefab Sprout "Let's Change The World With Music" と Girls "Album" の2枚。

Prefab Sprout はライナーノートが感動的で、また解説・訳詞もついていました。最近では iTunes Store のダウンロード販売でもライナーノートが付いてくるものもありますが、まだ少ないですね。こういう時はやはり盤を買う理由があるな、と思います。

旧車の価格

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同じ車といえども旧車の価格は実に幅広い。本当にポンコツ同然の、手を入れなければ満足に乗る事すらできない車は非常に安いが、走らせる事のできる旧車は、価格が高い。しかし、その程度によって価格は大きな差となる。

 

 

 

旧車、中でも人気のある昭和40年代の車は生産終了から既に40年が経過している。その間、ずっとナンバーを付けて乗り続けていた車であれば、機関は調子いい事が多い。40年のという年月を維持されてきた車は定期的なメンテナンスを怠っていない。こういう車は価格は高めだ。


それでも駐車場が屋根付きであったか否かで価格は大きく変わってしまう。旧車の場合、ボディの状態によって値段が決まるといっても過言ではない。機関系は載せ変えれば済むが、ボディ、フレームはそうはいかない。


同じような理屈でレストアが施された車も価格はピンキリだ。ただレストアされていればいいというものでもなく、どれほどまでに徹底的に再生されたかで価格は変わる。


開いた穴をパテで簡単に埋めている車もある。見えない所には手を入れていない旧車もたくさん存在している。こういう車はそれなりの値段となるが、一台の車をすべてバラしてから行う完璧なフルレストア車は工賃はもちろん人件費も嵩んでくるので驚く程、高価となる。しかし、新車のように生まれ変わった車を今、買えるのならば安いかもしれない。


1968年。ハコスカと呼ばれていたNISSANスカイラインGT-Rが発売された。大卒初任給2万円余り、国鉄の初乗り運賃が30円だった時代にGT-Rは150万円もした。現在、レストア済みの中古相場は1000万円以上。現在の初任給から見ると、実は旧車は買いやすくなっている


ここでひとつの考え方がある。


旧車に乗るという事はロマンを買う意味でもあるのだが、その反面、トラブルを一緒に購入するという現実も併せ持っている。ならばポンコツを買って、直しては乗り、乗っては直すという方が安上がりになるのではないかと思う人も多いだろう。しかし、そうではない。


手を入れてある旧車は壊れる確率は前述の車より格段に低くなる。だから数年乗り続けたら、ポンコツもフルレストア車も同じ費用が掛かったなんて笑えない話もある。


で、結論。

長く乗るんだったら、フルレストア車を。ウケ狙いで楽しむのだったらポンコツを買ってコツコツいじる。そんな感じで付き合うと旧車は楽しい。


 


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特集「旧車という美学」

2010年1月23日(土)よる11時30分

旧車という美学

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旧車の魅力


旧車の魅力。

音。匂い。乗り味。分かり易いところでいえば、そういった特徴が挙げられる。


しかし、僕が一番注目する魅力はデザイン。シンプルでスマートなフォルム。

インパネに採用されたトグルスイッチも「男の仕事場」的な雰囲気を醸し出していた。そういった事から私自身も旧車に乗って楽しんでいる。


はじめて旧車を見た人は口を揃えてこういう。

「あの頃のデザインをなぜ今、できないのか」

しかし、残念ながら、それは無理なのである。


かつてホンダスポーツという車があった。小さなフロントウインドーが可愛いオープンカーだ。横から見ると四角いボディからはみ出しているのはウインドーとフェンダーミラーだけ。あの頃はフロントシートにすらヘッドレストも無く、シートベルトもジェットコースターのように2点式。だからすっきりして見えていたのである。だが、今の安全基準では叶わぬデザイン。


昭和40年代前半の車に多くに装備してあった三角窓。しかし、今は窓をロックするノブが危険だということで採用できない。


自動車のような工業製品は安全や環境保護を配慮したデザインを取り入れて年々、進歩してきた。もちろん、それは当然の事であって、それ自体を否定するつもりはない。だが、もう叶わぬデザインとなってしまうのは寂しすぎる。だから旧車を所有し、楽しんでいるのだ。


旧車のオーナーは「現代の車は魅力がない」という。それはデザインの観点から見ていることが殆どなのだ。


でも最近、期待している事がある。

それはEVカーだ。


エンジンは無く、燃料タンクもいらない。ホイールinモーターが普及すれば、エンジンルームの意味すらなくなる。今までの概念を打ち破るデザインの可能性を感じるのである。


どうか、驚くような車を各メーカーが出す事を期待している。


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特集「旧車という美学」

2010年1月23日(土)よる11時30分

階段ダイエット

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階段の特集を今回やってみて、僕のライフスタイルで変わった事がいくつかあります。

それは商店街や住宅地を歩く時に、いつのまにか階段を探しているということ。そしてもう1つは、階段を見つけたらとにかく歩くようになったことです。

そのおかげで、いつの間にかぽっちゃりだった体型がスリムに...

そんなすぐには変わりませんが、階段を歩くことがダイエットになればいいなと密かに思っています。

今日、16日の夜11時30分から
STYLEBOOK「階段から見る街」
よろしくお願いいたします。

「アバター」観て来ました!

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劇場は、東京近郊で観るなら絶対ココ! といわれている 109シネマズ川崎。もちろん IMAX 3D 版。

 
でも、こういうメガネをかけて2時間40分はなかなかツラかった。いや、メガネだけのせいではないですけどね。

予告編で流れた「アリス・イン・ワンダーランド」面白そう。



休日のおすすめ: INAXライブミュージアム

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三連休も半分過ぎてしまいましたが、今日はいつ行っても楽しい博物館をご紹介します。

愛知県常滑市にある INAXライブミュージアムです。

 

株式会社INAXといえばトイレ、バス、キッチンなど様々な住宅設備機器や建材のメーカーとして知られていますが、なによりも世界屈指の老舗タイルメーカーです。そして会社の前身・原点はフランク・ロイド・ライトが設計した旧帝国ホテル(1923年 大正12年落成)のスクラッチタイルやテラコッタを作るための「帝国ホテル煉瓦製作所」だったそうです。

 

その「焼物」という原点にもとづいて、土・水・火の文化に実際に触れることができる体験型ミュージアムが INAXライブミュージアムです。

ひろびろとした敷地内にはいくつもの展示館が並んでいます。家族連れでも楽しめる体験教室もある「土・どろんこ館」や「陶楽工房」。国内外のアーティストや建築家、デザイナー、窯元にものづくりの場を提供する「ものづくり工房」。

 

登録有形文化財に指定された大正時代の大煙突の立つ「窯のある広場・資料館」。

 

そして紀元前から現代までの世界の装飾タイルを1000点も展示し、まさに宝石箱のような「世界のタイル博物館」。本格的な窯焼きピザと地元知多半島の旬の食材を楽しめるレストラン「ピッツェリア・ラ・フォルナーチェ」。

   

一日中いても決してあきない。いや一日では決してまわれないぐらいのボリュームです。できたらたっぷり時間の余裕をもって。常滑駅から車で約6分(常滑までは名古屋から電車でおよそ50分、中部国際空港 セントレアから電車でほんの5分)。

INAXライブミュージアム。美術史に興味をお持ちの方、建築が好きな方、デザインを学ぶ方、子供がいる家族、なにより美しいものが好きな方、それぞれいろいろな楽しみ方ができる生きた博物館です。

今年、最初に観る映画は?

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年が明けてすでに一週間が過ぎましたが、皆さんは今年の一本目に観た映画はどんな作品ですか? まだ観てないという方もたくさん居られるかと思いますので、僕が今年の一本目に観た作品を紹介しましょう。それは...

ジェームズ・キャメロン監督の「AVATAR」の3D上映です。

最近、よく耳にする映画の3D上映ですが、アメリカでは すでに3D設備のある映画館が3000館を超え、日本でも2010年中に300館以上が3D設備を整える予定だそうです。近々、国内メーカーから3Dテレビが発売されることもあり、2010年は真の意味での3D元年になりそうです。

そんな今年の一本目を飾るに相応しい作品「AVATAR」を最高水準の3D設備を誇る109シネマズ川崎のI MAXデジタルシアターで鑑賞して来ました。

映画の内容については観てない方のために割愛しますが、とにかく映像が圧倒的に美しい! 昔の3D映画の飛び出すという感覚ではなく、かなり奥行きがある映像という印象でした。

さらにI MAXデジタルシアターで驚いたのは圧倒的な音の迫力! 銃声や爆発音はもちろん、飛行機の離陸音から草原で草を掻き分ける小さな音までが、様々な角度から体に響いてきて、映画の世界の中にいるような感覚を体験できることです。劇場入り口に掲げられた「観るのではない。そこにいるのだ。」のコピーは伊達ではありません。



上映時間の長さ、映像の美しさゆえの情報量の多さ、さらに僕の場合、メガネの上から3Dメガネをかけることもあり、鑑賞後、少し疲れましたが、新しい技術のすばらしさやそれを体験した感動を味わえるのは今だけです。そんな意味でも「AVATAR」は、ぜひI MAXデジタルシアターの3D上映で体験して頂きたいと思います。

もしかしたら「トーキーの登場」(映画「ジャズ・シンガー」(1927))や、「カラー映画の登場」(映画「虚栄の市」(1935))のような映画の歴史に残る技術革命を体験できるかもしれません。

ちなみにI MAXデジタルシアター3D上映を行っている映画館は、109シネマズの川崎、埼玉県菖蒲、名古屋、大阪府箕面の4館です。

photo by Kazuya Shinohara

2010年 初日の出の驚き

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2010年元旦、突然、「初日の出」をデジタル一眼で撮ろうと決意。で、千葉の九十九里浜へ!寒い中、手が凍りそうな思いをしながら撮った写真がコレ!


この写真、海から湯気がたっている。一体、なぜ?

その理由を地元の人に聞くと、「気温が海水よりも低いからだよ」と言ってました。そう、あまりに寒い冬は海水の方が暖かいらしいのです。さらに、この現象での初日の出は珍しいとの事。

神秘的な「初日の出」を収めたのだが、この写真には「とんでもない現象」がもう一つ、写っているのだ! それは、写真の中央から左側。よく見ると、寒い冬の海でジェットスキーに乗っている人が写っているのだ。元旦だからこそ、初乗りをしたかったのだろう。正月でなければ絶対にやらないハズだ。

凍り付く寒さの中でジェットスキーなんて...と飽きれていたのだが、よ~く考えると、この日は「海水>気温」。

まさか、海は気持ちいい程、暖かいのか???

photo by Shigeru Uochi

ダレルにご用心

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2010年のお正月はいかがでしたか? 私はサイアクでした。

番組をご覧頂いている視聴者の方々の中には、お仕事で外国人と対等に渡り合うビジネスマンの方も多いことと思います。実は私事ながら、外国諸国でコメディの舞台を行っています。ま、私の場合はエンターテイメントの世界ですので、皆様のようにカッコイイ感じではなく、時にはズルズルのユルユルの世界であります。が、それゆえに、困ったことに巻き込まれがちです。


3年ほど前、あるアメリカ人男性に仕事を頼んだことがあります。最初、彼はやる気マンマンで「オレに任せれば大丈夫!」とか「YES、I CAN」とか「5年前のテキサスで経験済みだ」とか、ウザいぐらい大アピールをしてきました。辞書に「謙遜」という文字がない漫画のようなアメリカ人です。

初めての仕事で彼はその言葉通り大活躍してくれました。私は内心疑っていた自分を恥じました。

が、2回目にはなぜかテンションが下がり機嫌も悪い。そして3回目。彼から1本の電話が「ゴホン、ゴホン、ソーリー。風邪ひいちゃった」。森進一のモノマネのような声色でした。耳が遠いウチの祖母が聞いても分かるぐらい明らかな仮病です。ナメてんのか? とムカつきましたが、そんな男を頼りにした私の責任。客に頭を下げて謝りまくり、返金したのは言うまでもありません。その男の名は「ダレル」でした。

このお正月、約15万円をダマし取られそうになりました。その相手がまた「ダレル」、今度はイギリス人です。


昨年夏、ワハハ本舗の芸人さんがイギリスの舞台に立つのをお手伝いしました。世界最大の芸術祭「エジンバラ・フリンジ」。1ヶ月間の長い舞台です。



パントマイムなど無声で笑いを作り出す彼らは、初めての海外ステージにもかかわらずコメディ・アワードにノミネート。受賞こそ逃しましたが、3000組の芸人の中から、わずか3組に選ばれたのです。ダレルはかれらが出ていた劇場の支配人でした。当初、他の芸人ばかりチヤホヤしていましたが、ノミネートされるや否や、掌を返したように、190近い身長の腰を折ってゴマをすりすり。ショーの最終日には、とうとう劇場に子供まで連れてきて「一緒に写真撮ってやってもらえない?」。何なんでしょうか。彼の存在がコメディです。

そしてチケット清算から売り上げの支払いとなるわけです。

その支払いが遅れる遅れる! 彼は「アンビリーバブル、銀行に4回も行ったけど、またダメだった」とか「SWIFTコード(国際銀行コード)は何番だっけ?」とか言ってきます。すべての銀行情報は既に送ってあるのにです。海外送金ってそんな大変なんスかぁ? と、ブリトニー浜田口調で言ってやりたい気持ちをグッと抑え「前にも送ったけど、もう1回送るね」と送ってあげました。すると今度は「IBAN(ヨーロッパ銀行コード)は何番?」って。IBANってヨーロッパの銀行コードでしょ? うちは「みずほ銀行」ですけど・・・「お前、ちゃんとググって勉強しろ」と言ってやりました。こっちの怒りが伝わったのか、やっとこのお正月4日に振り込まれたのです。

ところが! ところがです。事件が起たのです。金額がなんと1000ポンドも足りないのです。なんで? と聞くと税金だとか。「いやいやダレル君、紙渡したでしょ!」。紙とは「タックス・リデュース(税金減免)」の書類のこと。こちらは舞台をやるのに飛行機・宿泊代など相当な経費がかかってハッキリ言って大赤字。なので事前に経費相殺によるタックス・リデュースの申請をして、その書類を彼に渡していました。ところが彼はメールで「知らない」「もらってない」と。こっちが強く「渡したよ!」と言い張ると、「あ~アレかぁ!」だって。しかも言うに事欠いて「もらったけど、そんなこと書いてなかったよ」。え~~~~~~!!

実はイギリスの国税庁からもらった文章には、私程度の英語力では分からない単語が使われていました。"nil"って何? 帰国子女の友人に聞いても分からない。仕方なくアメリカで弁護士をしている友人に聞くと「No」と同意だとか。つまり、僕らに納税の義務はないという文書なのです。思うに、ダレルはこの難しい"nil"をいいことに、極東の黄色い猿をダマしてやろうと思ったのでしょう。「さぁ。そんなの書いてないよ」とバックれる。あげくの果てには「君を信用しないわけじゃないけど、あの紙は本当に国税庁の文書なの? 書こうと思えば誰でも書けるんじゃない?」2回目のえ~~~~~!!です。

私は全ての証拠を固めるべく、アメリカにいる弁護士に再確認し、正月早々イギリス国税庁に電話して申請の正当性を確認後、彼にその文書をPDFで再送。そうです。再送するのは最後のカードだったので、とっておいたのです。もちろん、そのメールには「弁護士」「国税庁に電話で確認」とも書いて。

1分後、速攻でメールーが返ってきました。その最初の一文はなんと「YES SIR」。なんという掌返し!おそらく数日後には、ミツヤ卿に入金があることでしょう。


皆さんもダレルという名の西洋人による"ダレダレ詐欺"にご注意を。日本語で書くと「ダレる」ですから...おそまつ。

PS. もちろん立派なダレルもいると思います。

photos by Yasushi Tsugihiro

2010年 ラーメンはじめ

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新たな年が訪れましたした。皆さんどんなお正月を過ごしましたか?

私は例年通り、妻の実家の福島県喜多方で「ラーメンはじめ」をすませました。元旦の6時50分に出発して坂内食堂で中華そばを食べるという会津人には欠かせない行事の一つです(私は道産子ですが...)。



隠れメニューをお教えしましょう。「脂っこいの」と注文してみて下さい。飲み過ぎていなければ、ワンランク上の味と優越感にひたれます。



この熱い波打つ縮れ麺をすすりながら、ジョン・レノンなみのあるキーワードが思い浮かびました。それは「WAVE」。

中学生の頃読んだ科学雑誌に「全ての物質は波の性質を持っている」と書いてあったっけ・・・光、音、素粒子そして喜多方ラーメンまで、「今年は波の時代」かも?自分も波に乗るぞ!・・・そんなことをお屠蘇が抜けない頭でボンヤリと決意。

私は昼も別の店でちょっと脂っこい「HEAT WAVE」(味噌チャーシュー)をツルツルと軽快に食べ、しょっぱい一年のスタートを切りました。

親バカ年賀状をデザインする?!

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あなたは年賀状出しましたか?
 
個人情報保護法の影響で会社や学校の名簿が作られなくなったり、
メールの普及でわざわざ年賀状を書かなくても...という世代が多くなったり。
小栗旬のCFのようにわざわざ「年賀状出したいので住所を教えて」とまで
手間をかけて、年賀状を出したいとは思わない人が多い筈。
日本郵便の発表によると平成22年の年賀状の総発行枚数は約39億枚とか。
年々、減少傾向にあるそうです。
それでも、国民1人当たり平均30枚程度になるのだから、習慣というのは凄い。
 
...という前置きはこれくらいにして。
 
御多分にもれず、私も今年、年賀状作りました。
もう、思いっきりやってしまいました。
いわゆる「親バカ年賀状」。
 
昔から絶対に真似はするまい!と心に誓っていたタイプの年賀状。
 
子どもの満面の笑顔。
しあわせそうな家族のスナップ。
そして、更にペットの写真。
 
間違いなく、見る人が見れば、バカだと思われる類のやつ。
 
でも。
告白します。
 
そういうのって作ると意外と楽しいんです。
子どもの写真を撮るために、一張羅を着させて近所の公園で大撮影会。
そのあとMacintoshに向かって、ああでもないこうでもないとデザイン。
自分の写真は髪の毛が薄くなっているのを悟られないようなやつをチョイス。
勢い余って相手によってデザインのトーンを変えちゃったり...。
 
丸々一日かけての大仕事。
 
一体なんのため?
いや、わかりません。
 
でも、もしかしたら「理想の家族像」をデザインしているのかも。
 
年賀状は、その性質として「前向き」で「幸せ」なメッセージを書くもの。
決して「子育てに悩んでます」とか「夫婦喧嘩が絶えません」とか、
そういう類のものでなく「幸せな家族」をアピールするもの。
一年に一回の年賀状制作は、自分の理想の家族のイメージを膨らませながら
デザインするから、面白いのかも。
 
ちなみに、子どもが産まれてから2回目の今年の年賀状は、昨年に比べて、
子どもの写真の面積が大きくなって、写真も3枚に増えました。
これは、子どもへの親バカ度が増した事の証。
 
そう考えると、逆に、友達から受け取る「家族写真入りの年賀状」を見る時も、
その家族の「理想の家族像」が想像出来たり、意外な力関係を垣間見れたり
して面白いのです。
 
というわけで、どんな親バカな年賀状にもデザインするには、作り手の意思が反映されているという「STYLEBOOK」的な落ち?にしようかと思いましたが、多少強引でしたね。
 

お詫びに?!親バカっぷりに徹するために、
年賀状で使った愛息の写真をアップします。
(実物よりもかなり可愛く映っています。
これを撮るために 何枚シャッターを押した事か・・・)
 
というわけで、世の中の森羅万象をデザインとスタイルで切り取る「STYLEBOOK」は、2010年もいろんなものを取り上げます。
 
そして、このブログでは、制作スタッフがいろんな面白い物の見方を提案していきますので、是非、御愛読ください。
 
そういう私はブログでは今後も引き続き「子育て真っ最中の親バカ」の視点で書いて行きたいと思います。
 
懲りずにお付き合いください。

結婚式ビデオで奮闘中

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クリスマスやお正月に家族や友人とビデオをたんまり撮ったという方は多いことと思います。みなさん撮影したビデオはどうされていますか? 最近は一般のビデオカメラもハイビジョンが多くなり、また編集用ソフトも簡単でよいものがたくさん出ているので、最終的に配るDVDのラベル印刷まで含めてプロ並みの作品を作られる方も多いでしょう。

映像を本業にしているぼくたちにとってはそこがちょっと悩みの種なんです。やはりみんなからの期待が大きい。「普通の人」以上にウケるものを作らなければ行けない...。



実は今週の土曜日に大学時代の友人の結婚式があるのですが、式で流すビデオの編集を頼まれ、年末年始はひたすら悪戦苦闘してました。

まずビデオにするには素材(写真)が足りなかったので、年末に渋谷のスクランブル交差点でロケを敢行。ただ、街宣車に阻まれたり、また予想以上に人が多くなかなかうまくいきません。仕事のロケと変わりませんね。

なんとかロケは終了させていざ編集をと思ったのですが、次は曲選びが難航。

当初、EnyaのOnly Timeとかを使おうと思っていたのですが、よくよく歌詞の訳をみると、「恋人がいなくなって」とか「ため息がでる」とか...。この曲ダメじゃん! おめでたい式で流すにふさわしい曲調と歌詞を持つ曲って意外に選択が難しいことがわかりました。

さらに編集作業にも困難が。
結婚式ビデオ向けに特化された編集ソフトもありますが、そこは「プロとして」使いたくない。で、今回は motion というアプリケーションを使ったんですね。これがまあ...操作がわからない(苦笑)。そりゃそうですよ、映画まで作れるようなプロ用ソフトなんだから(ふだんはほとんど Final Cut Pro というアプリケーションで編集してます)。何でまた時間がない時に限って新しいことをやろうとしちゃうんでしょうかね。しかし、こういうせっぱつまった時の方が意外にソフトの使い方を覚えるのも確かなんです。勉強勉強。


なんとなく形になるまで1週間近くかかったわけですが、満足いくものが出来たと思います。
で、さっきスタッフに見せてみたら「...まあ、いいんじゃないの、でもテロップの位置が下すぎてプロジェクターによっては出ないかもね」

そんなところにもトラップがあるのか! 今、Macintosh の前で悩んでいます。


とはいえ、ふだんは実際に番組を観てくださるお客様の顔を見ることができない仕事ばかり。今回の結婚式ビデオのような生のリアクションを目の前で体験できるのは、とても楽しみです。


木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン

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大人になってしばらく美術館や博物館からとおざかっていたのですが、ようやくその楽しみ方がわかってきたのか、最近暇があるとブラリと美術館に寄ってみたりすることが多くなりました。東京にいて嬉しいのはそういう「時間ができたからちょっと行ってみようか」という距離に、魅力的な美術館がたくさんあることです。


年末、恵比寿にある東京都写真美術館に行って来ました。お目当ては「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン 東洋と西洋のまなざし」。大写真家二人を同時に展示する展覧会です。

木村伊兵衛(1901-1974)は今では一般的には新人写真家を対象とする「木村伊兵衛賞」という賞で知られているのかもしれませんが、ぼくが子供の頃(1960年代、70年代)はザ・写真家という存在、誰もが顔を知っている写真家でした。もちろん今でも多くの人から尊敬を受けている偉大な芸術家です。

そしてアンリ・カルティエ=ブレッソン(1908-2004)。20世紀を代表する写真家、そして国際写真家集団「マグナム・フォト」の創設メンバーです。

マグナム・フォトのことは、以前STYLEBOOK でも取り上げたことがあります。2006年秋に開催された「GINZA PHOTOGRAMM 2006~瞬間を銀座から」というイベントで、マグナムのメンバーが東京を写した写真を数十点、INAXと大日本印刷の技術でタイルに焼き付け数百年残る形にして、銀座の大通りに屋外展示するという試みでした。(さらに、この催し自体、翌年の東京都写真美術館で開かれた「マグナムが撮った東京」のプレイベントでした)


その中でも、カルティエ=ブレッソンが1965年来日時に撮影した「日比谷」は特に印象的でした。映画の看板を前にすれ違う男女。一枚の写真の中に色々なドラマを感じることができる。見る人全てに物語を感じさせる写真です。番組でも特集のオープニングに使用しました。

今回の東京都写真美術館の展覧会は、同時代に生き互いに意識しあっていた二人の写真家を並べることで、作家としての個性だけでなく「近代的写真表現が絶対的普遍的でありながら、同時にいかに個別的相対的なものであったかということを見ようとする試み」(パンフレットより)です。

特に面白いと思ったことが2つあります。

1つは、コンタクトプリントの展示。コンタクトプリントとはいわゆるベタ焼き。撮影したフィルムをそのまま焼いて、OKカットを選ぶために使うものです。それを見ることで様々なアングル、タイミング、テイク違いの中から、なぜこの最終カットが選ばれたかを想像し、写真家の仕事を追体験できます。

もう1つは、不思議なことに同じ日本の、写された時代や場所も知っている木村伊兵衛の作品よりも、カルティエ=ブレッソンの作品の方が、ぼくにとって「身近」に感じたこと。見ながらも、帰ってからもずっとなぜだろうか考えていたのですが、思いついたことがあります。それはぼくたちが今観る様々な映像、写真やテレビや映画が西洋的な構図を手本にしていること。自分の目が何を心地よいと感じるかという訓練が、しらずしらずのうちにヨーロッパ文化の影響を受けているのではないか、ということです。

ぜひご自分の目でお確かめください。

2010年2月7日(日)まで

初詣

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あけましておめでとうございます。

2010年最初の仕事は1月16日(土)に放送する特集「階段」のロケでした。

元旦。場所は東京赤坂の日枝神社。初詣の様子を撮影するという内容です。

昼過ぎから撮影を始めたのですが、まず人の多さに驚きました。この日枝神社の歴史は古く、今の場所に遷座してからも、すでに350年になるそうです。

いまでは外国からの観光客の方が訪れたり、デジカメで記念撮影をしたり、といった光景も見られますが、初詣という昔ながらの生活習慣は変わらずに、僕たちの中に脈々と流れているんだなあというのを実感しました。

タコ焼きとイカ焼きの匂いにつられたので、それぞれ満喫しました。満腹になった後の階段の登りはツラいものがあります。今年は少しやせよう、そんな風に感じた2010年の元旦でした。

1月16日(土)の放送もお楽しみに。

Yes

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ファンにとってはおなじみの話ですが、ビートルズという人生に疑問を抱き全てに疲れていたジョンを救ったのは、たまたま見に行ったヨーコの個展で出会った「Yes」という言葉だったといいます。

映画『イエロー・サブマリン』でもブルー・ミーニーを倒すのは「Yes」。

たしか大瀧詠一さんが書かれていたと思うのですが「ポピュラー音楽の歴史はYesと言った者の歴史」。新しいリズム、新しい言葉、新しいメロディ、新しい衣裳が出て来た時に、否定するのではなく、それは面白いと思った人たちが新しい音楽を創ってきたと。

もちろんそれで昔からの音楽が否定されるわけではありません。ヒットチャートに載らない音楽にYesという選択をすることもできます。たとえば今年来日が予定されているアーティスト、ジャクソン・ブラウン、ビーチ・ボーイズ、ボブ・ディラン、キャロル・キング、ジェームズ・テイラー。みんなそうして「生き延びて」来たのではないでしょうか。

歳をとるということもそうです。それだけ新しいこと、モノ、人に出会うことができるということ。そのチャンスにYesということができれば、いっそう楽しく生きていけるはず。

年の初めにそんなことを考えました。

うまく行かないことは多いけれども、常に前向きに。おすすめのビデオをここにあげておきます。



photo by (michelle)