2010年1月アーカイブ
同じ車といえども旧車の価格は実に幅広い。本当にポンコツ同然の、手を入れなければ満足に乗る事すらできない車は非常に安いが、走らせる事のできる旧車は、価格が高い。しかし、その程度によって価格は大きな差となる。
旧車、中でも人気のある昭和40年代の車は生産終了から既に40年が経過している。その間、ずっとナンバーを付けて乗り続けていた車であれば、機関は調子いい事が多い。40年のという年月を維持されてきた車は定期的なメンテナンスを怠っていない。こういう車は価格は高めだ。
それでも駐車場が屋根付きであったか否かで価格は大きく変わってしまう。旧車の場合、ボディの状態によって値段が決まるといっても過言ではない。機関系は載せ変えれば済むが、ボディ、フレームはそうはいかない。
同じような理屈でレストアが施された車も価格はピンキリだ。ただレストアされていればいいというものでもなく、どれほどまでに徹底的に再生されたかで価格は変わる。
開いた穴をパテで簡単に埋めている車もある。見えない所には手を入れていない旧車もたくさん存在している。こういう車はそれなりの値段となるが、一台の車をすべてバラしてから行う完璧なフルレストア車は工賃はもちろん人件費も嵩んでくるので驚く程、高価となる。しかし、新車のように生まれ変わった車を今、買えるのならば安いかもしれない。
1968年。ハコスカと呼ばれていたNISSANスカイラインGT-Rが発売された。大卒初任給2万円余り、国鉄の初乗り運賃が30円だった時代にGT-Rは150万円もした。現在、レストア済みの中古相場は1000万円以上。現在の初任給から見ると、実は旧車は買いやすくなっている
ここでひとつの考え方がある。
旧車に乗るという事はロマンを買う意味でもあるのだが、その反面、トラブルを一緒に購入するという現実も併せ持っている。ならばポンコツを買って、直しては乗り、乗っては直すという方が安上がりになるのではないかと思う人も多いだろう。しかし、そうではない。
手を入れてある旧車は壊れる確率は前述の車より格段に低くなる。だから数年乗り続けたら、ポンコツもフルレストア車も同じ費用が掛かったなんて笑えない話もある。
で、結論。
長く乗るんだったら、フルレストア車を。ウケ狙いで楽しむのだったらポンコツを買ってコツコツいじる。そんな感じで付き合うと旧車は楽しい。
スタイルブック
特集「旧車という美学」
2010年1月23日(土)よる11時30分
旧車の魅力
旧車の魅力。
音。匂い。乗り味。分かり易いところでいえば、そういった特徴が挙げられる。
しかし、僕が一番注目する魅力はデザイン。シンプルでスマートなフォルム。
インパネに採用されたトグルスイッチも「男の仕事場」的な雰囲気を醸し出していた。そういった事から私自身も旧車に乗って楽しんでいる。
はじめて旧車を見た人は口を揃えてこういう。
「あの頃のデザインをなぜ今、できないのか」
しかし、残念ながら、それは無理なのである。
かつてホンダスポーツという車があった。小さなフロントウインドーが可愛いオープンカーだ。横から見ると四角いボディからはみ出しているのはウインドーとフェンダーミラーだけ。あの頃はフロントシートにすらヘッドレストも無く、シートベルトもジェットコースターのように2点式。だからすっきりして見えていたのである。だが、今の安全基準では叶わぬデザイン。
昭和40年代前半の車に多くに装備してあった三角窓。しかし、今は窓をロックするノブが危険だということで採用できない。
自動車のような工業製品は安全や環境保護を配慮したデザインを取り入れて年々、進歩してきた。もちろん、それは当然の事であって、それ自体を否定するつもりはない。だが、もう叶わぬデザインとなってしまうのは寂しすぎる。だから旧車を所有し、楽しんでいるのだ。
旧車のオーナーは「現代の車は魅力がない」という。それはデザインの観点から見ていることが殆どなのだ。
でも最近、期待している事がある。
それはEVカーだ。
エンジンは無く、燃料タンクもいらない。ホイールinモーターが普及すれば、エンジンルームの意味すらなくなる。今までの概念を打ち破るデザインの可能性を感じるのである。
どうか、驚くような車を各メーカーが出す事を期待している。
STYLEBOOK
特集「旧車という美学」
2010年1月23日(土)よる11時30分
お詫びに?!親バカっぷりに徹するために、
大人になってしばらく美術館や博物館からとおざかっていたのですが、ようやくその楽しみ方がわかってきたのか、最近暇があるとブラリと美術館に寄ってみたりすることが多くなりました。東京にいて嬉しいのはそういう「時間ができたからちょっと行ってみようか」という距離に、魅力的な美術館がたくさんあることです。