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混雑から逃れる旅

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僕の旅は混雑を避けることにある。


例えばお盆。帰省ラッシュも一段落終え、都心へと向かう上り線が渋滞する頃、

旅に出る。シーズンオフの行楽地を訪ねたりもする。


理由はその土地をきちんと楽しみたいから。混雑を避けると、ゆっくりと流れる時間を味わえる。


春の花が終わるこの時期、特に「島」は夏のシーズンまで閑散とする。それがいい。


途中、気になる店があれば覗いてみるのもいい。雨が降れば、雰囲気ある喫茶店でのんびりと雨宿り。行列もないので、自分のペースでたっぷりと島を楽しめる。


シーズンオフだからこそ味わえる楽しみもある。


島の人たちとの会話。忙しくないからなのか、話が弾む。自慢の観光地、食、酒、なぜか家族のこと。茶目っ気たっぷりに話を聞かせてくれる。でも、それが島を知る一番の方法である。


以前、こんな事があった。


十数年前、八丈島で居酒屋の主人と意気投合。あまりに仲良くなってしまい、なんと翌日主人の友人の法事に付き合わされた。何故そんなことになったのか。主人曰く、僕があまりに食べっぷりがいいから、墓前に供える自慢の料理を食べてもらいたかった為という。


法事当日、主人の喪服を借り、島の味をこれでもかというくらい楽しみました。


スタイルブック
「ちょっと島まで」
4月10日(土)よる11時30分

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