STYLE BOOK
  • トップページ
  • バックナンバー
  • contents3
  • contents4

バックナンバー

2008年10月4日、5日放送  「セレクション:日本デザインの未来」


番組の123回目のテーマは「セレクション:日本デザインの未来」
日本のデザインの特徴は何か。今後どういう方向に向かっていくのだろうか。
それを考えるためのセレクション。
細部への心配り。それが日本のモノづくりの原点。かつてそれはわたしたちの日常にあふれていた。
季節感、空気感、情緒。こういった心象まで表わすことができる色の名前。それを現代に甦らせる色鉛筆がある。
また、たとえば文字。江戸文字に見られるように、使われる状況に合わせて微妙に変える書体は、基本的に音を表わすための文字であるアルファベットと違い、一文字で意味と情景を表わすものだった。そういう精神は今の文字デザインにも脈々と生きている。たとえばヒラギノ。明確なコンセプトの基に作られたこの書体は、テレビ、コンピュータ、そして最新の iPhone にも使われる現代の職人の作品である。
もしかしたら1964年の東京オリンピックこそ日本の本当の開国だったかもしれない。60年代の工業デザイン。それこそ今につながる日本のプロダクトデザインの原点ではないか。そう考える人たちが60年代に作られて、今でも決して古臭くならないモノを復刻・再生している。21世紀がまだ未来だった頃に生まれたデザインは、今でも常に未来を向いている。
日本庭園が外国から注目されている。モダンな社会のシステムの中で生きなければいけない現代人にこそ、日本庭園のもつ意味は大きいのではないか。わび・さび、というあまりに日本的なものを代表するデザインが、世界へ拡がっている。