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2010年8月14日放送  「シェアという生き方」




STYLEBOOK第215回目のテーマは「シェアという生き方」

ドイツ南部にある、人口およそ21万人の街、フライブルク。市の中心部には、13世紀に建設が始まったこの教会を始めとして、今もって利用されている歴史的建造物が、数多く残る。そこにあるのは「市民の共有財産」という考え方だ。環境首都と呼ばれるフライブルクではカーシェアリングが市民の当たり前のスタイルとなっている。カーシェアリングだからこそ便利と感じている人がいる。

最近、日本の都会でも、車を手放す人が増えつつある。その行動は車に限らず、モノを共有するという新たな考え方が、徐々に、だが確実に浸透しようとしている。

東京の世田谷区は自転車のシェアリングをすることで、駅前の路上駐輪の解決、そして南北間の交通手段がないという弱点を補っている。

もっとも古くからあるシェアの1つが図書館だろう。東京の千代田図書館では、それをさらに進化させ、ユニークな図書館に生まれ変わった。会話をするのもよし。PCやドリンクの持ち込みもOKとした。利用時間も夜10時までに延長し、利便性も高めた。

全国の図書館から注目されているのが、千代田Web図書館、つまり電子書籍の貸し出しだ。現在4600タイトル。期限が来れば閲覧できなくなるほか、不正コピーをガードするシステムも採用されている。

共有は車や本だけではない。創造性の共有。作品を世界に広めたいアーティスト、作品を利用したいユーザー。その二つを結びつけるための新しいルールが生まれている。それがクリエイティブ・コモンズ・ライセンスだ。ある条件さえ守れば複製もOK、再利用してあらたな作品を作っても可能。そのライセンスを利用して、新しい作品が今この瞬間にも世界中で生まれている。