ニッポンの防災を問う~気象革命への挑戦~

スペシャル/特番紀行/ドキュメンタリー
ニッポンの防災を問う~気象革命への挑戦~
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みどころ

2009年8月9日。台風9号の接近に伴う集中豪雨で死者18名・行方不明者2名を出した兵庫県・佐用町。水位は警戒レベルをはるかに上回る8mに達し、町は濁流に飲まれた。しかし、避難勧告が出されたのはすでに避難が困難になってから…。気象庁が発令した警報がうまく伝わっていなかったことが被害拡大に繋がった。しかし佐用町からすぐ近くの久崎地区は、人的被害ゼロ。川べりに位置するこの地区では普段から水害の意識が高く、近所同士の「声掛け」や住民が自分の判断で避難を始めるなどしたことが功を奏したという。「自然災害を防ぐことは難しくとも、その被害を減らすことは出来る―」普段からの「自助」と「共助」の心構えが、いざという時の“命綱”となる。

  気象予報の最先端・アメリカ。中西部のオクラホマ州は、「トルネード・アレー(竜巻街道)」と呼ばれる世界一、竜巻が多く発生する地域である。ここでは、公的機関であるナショナル・ウェザーサービスと地元の大学が協力し、共同で竜巻発生のメカニズムを探り予報に役立てている他、地元のテレビ局が、独自にデータ収集を行い、自分たちの力で精度の高い情報を住民に提供するなど、最先端の予報システムを確立させている。

いま大きな岐路に立たされようとしている日本の気象予報。これまでの気象予報は一元化された気象庁の情報によって成り立ってきたが、ここ最近、度重なる突発的な自然災害やゲリラ豪雨など、気象庁の予報のみでは対処し切れないケースが目立ち始めている。そうした中、いま日本の気象予報界にも新たな革命が起こりつつある。仕掛けるのは、民間気象予報会社・ウェザーニューズだ。支えるのは全国の「ウェザー・リポーター」と呼ばれる会員たち。彼らの携帯電話から日々送られてくる天気リポートをもとに、より細かい地域の予報を提供、 “みんなでつくる”新たな天気予報の形を示し始めた。

番組では“減災”をキーワードに、民間の取り組みや、気象予報の最先端・アメリカの現状をつぶさにドキュメントしながら、次世代の気象予報の在り方を探っていく。