特等展望!ヨーロッパ鉄道紀行

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放送内容

オーストリア:マリアツェル鉄道

今回は、オーストリア北東部の都市ザンクト・ペルテンから、13世紀以来の歴史ある山間の巡礼地マリアツェルへと向かいます。 旅の始まりは、ウィーンから西に60キロに位置する都市、ザンクト・ペルテン。オーストリア北東部・ニーダーエスターライヒ州の州都です。歴史あるバロック建築が数多く残されている街として有名です。この地の中央駅は、数多くの路線が発着する交通の要衝。今回は、傾斜の激しい道へと向かうマリアツェル鉄道に乗ってみましょう。
「アルプス前地」と呼ばれるなだらかな区間を抜けていくと、傾斜の非常に険しい地帯に入っていきます。山岳地帯を進んでいくために、合計21個ものトンネルをくぐりぬけ、峡谷を渡るための58もの橋を通過しながら進んでいきます。こうした厳しい地域に路線と敷設したことは、20世紀初頭としては大変な偉業でした。エンジニアたちの労苦を感じながら、少しずつ山を登っていくと、最も標高の高い町、ゲジングに到着します。
ここまでくれば、マリアツェルまではあと少し。3キロ以上のトンネルを抜け、進んでいくと、いよいよ13世紀以来のオーストリアで最も重要な巡礼地へと到着します。この地には、今でも毎年何十万人もの人びとが巡礼に訪れます。その歴史は古く、1157年にとある修道士が木製の礼拝堂を建てたことが始まりだと言われています。数多くの人びとの祈りが捧げられたこの地で、今回の旅も終りを迎えます。