特等展望!ヨーロッパ鉄道紀行

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放送内容

ノルウェー:ソーランド線

ノルウェー南部の中心都市クリスチャンサン。デンマークからフェリーで3時間で行くことのできるこの街は、北欧への玄関口です。今回は、ここから北上し、首都オスロ近郊の港湾都市ドラメンへと向かうことにしましょう。
クリスチャンサンは、1641年にデンマーク・ノルウェー王のクリスチャン4世によって作られたノルウェー第5の都市。陸路と海路で欧州本土とオスロをつなぐ交通の要衝として発展してきました。街の中心部に建つ大聖堂は、北欧らしい美しさを湛えるこの街のシンボルです。また、海峡を守るために建造された要塞も、博物館として残されており、当時の記憶を今に伝えています。
今回は、ここからオスロ方面へと向かうソーランド線に乗ることにしましょう。郊外の住宅地を抜けると、まもなく列車は内陸部の美しい森林地帯へと入ります。線路が、海岸ぞいではなく険しい森のなかに敷設されたのは、外敵の攻撃を避けるためでした。深い渓谷や湖、壮大な山々が人々を魅了します。この地域の大自然は、水力発電による豊かなエネルギーをもたらしました。そのおかげで、国内の電気はほとんどが水力発電でまかなわれているのです。沿線にも、多くの滝やダムが点在しています。
険しい山々を抜けると、ネラウグ湖の絶景が姿を現します。思わず息をのんでしまうような、壮大な景色を堪能しながら進んでいくと、目的地もいよいよ近づいてきます。高架橋やトンネルの続くこの区間は、線路の敷設に大変な苦労がありました。
長いトンネルを抜け、テレマルク県に入ると、周囲の景観もしだいに変化してきます。木々はまばらになり、列車の勾配も緩やかになっていきます。古い鉱山の町コングスベルを抜け、40キロほどの距離をゆっくりと下れば、いよいよ旅の目的地ドラメンに到着します。北欧の大自然の雄大さを感じながら、旅の終わりを迎えます。