特等展望!ヨーロッパ鉄道紀行

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放送内容

スイス:リギ登山鉄道

中央スイスの美しい山々に囲まれた町、ルツェルン。今回はこの町を出発し、19世紀に作られたヨーロッパ最古の登山鉄道に乗って、伝統的な山岳リゾート地として名高い”山の女王”リギ山へと向かいます。
旅に出る前に、まずはルツェルンの町を散策します。アルプスの山々に囲まれた大自然と、中世の街並みが残るこの町は近年多くの観光客を惹き付けています。特に、600年前にロイス川に建てられたカペル橋は、ヨーロッパ最古の木造橋として有名です。橋の天井には、この町の長い歴史が描かれており、ルツェルンの象徴となっています。
この地は、多くの鉄道やフェリーが発着する交通の要。今回はそのなかでも、リギ山への入口となるアルト・ゴーダウ駅へと向かう電車に乗りましょう。ルツェルンを発って間もなくのところには、有名なスイス交通博物館があります。ちょっと寄り道してみましょう。ここには、スイスの歴史を彩る様々な電車の模型が展示されています。また、ラック式鉄道という、スイスの登山鉄道独特の仕組みも、分かりやすく解説されています。
旅を続けましょう。電車はルツェルン湖沿いを走り、薄い霧がかかる景色のなか、メッゲン、キュスナハトといった村々を走り抜けていくと、終点のアルト・ゴーダウ駅に到着します。この町で、リギ山に向かう登山列車アルト・リギ鉄道に乗り換えることにしましょう。時速20kmほどのペースで、ときには1kmに200mもの急な斜面を登ります。車でのアクセスが厳しいリギ山では、この列車は山上の生活を支える重要なインフラ。客車に連結された貨物車両で数多くの物資が運搬されており、住民の生活を支えています。
リギ山へと向かうもうひとつの登山鉄道にも乗ってみることにしましょう。その始発駅はフィッツナウにあります。フィッツナウ・リギ鉄道は、1871年に開通したヨーロッパ初の登山鉄道です。車窓から見える壮大な景色は、スイスでも随一。作家マーク・トウェインも、この列車について旅行記に著しています。
終点のリギ山は、標高2000m近い高地。スイスで最も人気がある観光地のひとつです。夏場はハイキング、冬場はウィンタースポーツのため、多くの人びとがこの地を訪れます。ラテン語で“女王”を意味する“レジーナ”に由来すると言われるリギ山。その雄大な景色に囲まれながら、旅の終わりを迎えます。