東京駅100年の謎 近代建築の父・辰野金吾の暗号

東京駅100年の謎 近代建築の父・辰野金吾の暗号

番組概要

開業から100年を迎える世界屈指の巨大ターミナル「東京駅」。 南北のドームに隠された謎から始まる、ある男の物語。

1914年に開業した東京駅の設計者は、近代建築の父・辰野金吾。今回の丸の内駅舎保存復原工事の際、辰野が東京駅に仕掛けた謎のレリーフが復原された…8つしか揃わない十二支、そして豊臣秀吉のカブトなど。それらが導くものとは一体!? 東京、大阪、九州に残る明治、大正期の名建築を巡り、建物に秘められたロマンと謎に迫る。 案内役は東京大学工学部建築学科を卒業した菊川怜。

放送内容

1914年(大正3年)、東京駅は、上野と新橋を結ぶ新たな中央駅として誕生した。赤レンガに白い花コウ岩の、全長300メートルもの巨大駅舎は、第二次世界大戦で3階部分を消失。そのとき失われた南北のドームは角屋根で覆われ、2階建の建物として長年利用されてきた。しかし今回の保存復原工事によって、建設当時の姿が復活。新たな東京の顔として、訪れる人々を魅了している。

番組では、復原された八角形のドーム内部に現れたレリーフに秘められた謎を解くため、設計者・辰野金吾の人生に迫る。幕末期の九州・唐津の下級武士の家に生まれた金吾は、やがて訪れる明治維新でその人生が大きく変わることとなった。新たな時代がもたらした勉学への道、そして生涯の友・曾禰(そね)達蔵との出会い。 まだ「建築」という言葉がなかった時代、工部大学校(現在の東京大学工学部建築学科)の第一期生として西洋建築を学び、日本全国に膨大な数の建物を築き、数多の建築家たちを育て上げた辰野と曾禰。東京駅の姿の裏には、日本の近代建築史の黎明期に名を残した二人の巨人の青春と大志の物語があったのだ。 2003年に国の重要文化財に指定され、日本を代表する近代建築でもある東京駅をはじめ、東京・大阪・九州に今尚残る数々の辰野建築を巡る。