悠久への旅 とっておきの京都

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放送内容

華道家元と歩く京の庭園

街の中に多くの緑があふれる京都では、古くから暮らしの中に自然を取り入れ、その美しさを大切にしてきました。そんな1人である、華道「未生流笹岡(みしょうりゅうささおか)」家元、笹岡隆甫(ささおか りゅうほ)さんと共に、豊かな水と緑を堪能できる、京の庭園をめぐります。
まず2人が出会ったのは、青々としたもみじと苔の美しい庭が心なごませてくれる寺院、そこにはちょっと珍しい仏がまつられていました。
産寧坂を歩きたどり着いた料亭は、かつて豊臣秀吉ゆかりの歌人が隠れ住んだ場所。そこには味わい深い茶室と美しい庭園があるのです。その庭の眺めを堪能できるのが、京都に名高いコーヒー店。
さらに祇園の大通りに建つのは、笹岡さんがよく訪ねるという雑貨店。その店の奥には、小さな庭と、和のアフタヌーンティーを楽しめるティールームがありました。
創業から300年以上を誇る京銘菓の老舗が営むのは、趣ある建物を改装した食事処。四季折々に表情を変える、美しい庭とともに甘味をいただきます。
笹岡さんの知り合いが営む庭は、江戸時代から続く、名高い作庭家が手がけたもの。そこにはちょっとした遊び心が隠されていました。
そして、明治時代に活躍した政治家ゆかりの場所でも、笹尾さんが心ひかれるという、見事な庭園に出会います。
洗練した美を表現する華道家と共に、緑まぶしい京の庭園を訪ねます。

清々しい新緑の季節…。街の中に多くの緑があふれる京都。この街では、古くから暮らしの中に自然を取り入れ、そこからもたらされる恵みや美しさを大切にしてきました。そんな1人である、華道「未生流笹岡(みしょうりゅうささおか)」家元、笹岡隆甫(ささおか りゅうほ)さんと共に、身近で豊かな水と緑を堪能できる、京の庭園をめぐります。
椎名さんが笹岡さんと出会ったのは、紅葉で名高い寺院「永観堂」。秋のもみじも素敵ですが、笹岡さんは新緑の季節の青々としたもみじに心ひかれるのだといいます。苔(こけ)も見事なこの寺には、ちょっと珍しい阿弥陀仏がまつられているのだとか。
清水寺へ続く産寧坂を歩き訪れたのは「青龍苑(せいりゅうえん)」。この料亭の敷地はかつて、豊臣秀吉の正室、北政所(きたのまんどころ)の甥(おい)にあたる桃山時代の歌人が隠れ住んだ場所。池や滝、小高い山もある優雅な庭には、いくつもの茶室があるのです。味わい深い茶室から、落ち着きのある庭園を眺め、はるかな時代に思いを馳せます。そんぜいたくな眺めをじっくりと楽しめる場所が、京都で名高いコーヒー店「イノダコーヒ」。深煎りの豆から作られたコーヒーを味わいながら、ガラス越しに見える見事な庭に心なごみます。
祇園の大通りに建つのは、笹岡さんがよく訪ねるという雑貨店「SOUVENIR(スーベニール)京都」。古都のエッセンスを取り入れた、洗練された品々を扱うこの店の奥には小さな庭がありました。さらに、その先に作られたのは「TEA VENIR(ティーベニール)」と名付けられたティールーム。ここには、京都の風情を感じられる、和のアフタヌーンティーセットがあるのです。
笹岡さんと別れ、椎名さんが一人で訪ねたのは、創業から300年以上の歴史を重ねる八ツ橋の老舗「本家西尾八ツ橋」。その隣にあるのが、大正時代に建てられた邸宅を改装したお部屋で、食事や甘味を頂く事の出来る「西尾八ツ橋の里」。そこにも、四季折々に表情を変える、美しい庭がありました。八ッ橋と同じ米粉を使った、八つ橋の原型ともいわれる素朴な「白餅」をいただきながら、美しい眺めを堪能します。
そして、再び笹岡さんが案内してくれたのは、知り合いが営んでいるという小さな庭。普段は公開されていない「百福(ひゃくふく)庭園」は、ブライダルの写真を撮るために使われている場所。江戸時代から続く名高い作庭家、11代小川治兵衛が手がけたこの庭には、名前の通り、たくさんの福を呼ぶことができるようにとの思いを込めた、ちょっとした遊び心が隠されていました。
代々の小川治兵衛が手掛けた庭は、京都の様々な場所で見ることができます。中でも笹岡さんが特に、華道家としてさまざまなことを学ぶことができるという庭があります。それが、かつて明治時代に活躍した政治家、山縣有朋(やまがたありとも)の別荘だった「無鄰菴(むりんあん)」。ここには、さらに時代をさかのぼり、七代小川治兵衛が手がけた、見事な庭園を見ることができるのです。広々とした庭を歩きながら、笹岡さんならではの視点で、そのすばらしさに触れていきます。
自然の美しさに想像力をかきたてながら、洗練した美を表現する華道家と共に、緑まぶしい京の庭園を訪ねます。