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#20

Big Blue 奇跡の海を守る

アメリカ合衆国カリフォルニア州のモントレー湾には、ラッコをはじめ、アシカ、ゾウアザラシ、イルカ、シャチ、ホホジロザメ、ザトウクジラ、シロナガスクジラなど、大小あらゆる種類の海洋生物が集まって来ます。地球上でも他に類を見ない野生生物たちの楽園として、現在は観光が主要産業になっているモントレー湾。しかし、わずか50年ほど前、この楽園は生態系が崩壊する一歩手前まで追い詰められていました。
19世紀初頭には、毛皮を取るためにラッコを大量に捕獲。さらに、19世紀半ばには油の原料としてクジラを乱獲。20世紀に入ると、イワシの缶詰工場の過剰な営利活動がモントレー湾を脅威にさらしていました。すると、ついにある女性が抗議の声を上げます。危機的状況を食い止めたのが生物学者のジュリア・プラット博士です。海洋保護区の設定に尽力し、現在では沿岸約440km、沖合約50kmにまで広がり、生き物たちの再生を促しています。さらには、モントレー湾水族館によるラッコの保護活動の取り組みや、複数の研究者たちによる海洋生物の保護、研究活動についても紹介していきます。

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