日本近代建築誕生秘話 「甲子園ホテルの想い出」 ~二人の天才の物語・遠藤新とF・L・ライト

日本近代建築誕生秘話 「甲子園ホテルの想い出」 ~二人の天才の物語・遠藤新とF・L・ライト

番組概要

郵便事業の創業、鉄道の敷設、新聞の発刊、陸運会社設立、東京専門学校(現・早稲田大学)の創設、電話の開始…近代的なインフラ制度の礎を築いた前島密。税金に頼ることなく、誰もが平等に利用することのできる郵便システムを構築したその手腕は、今の時代にあっても学ぶべきところが多い。

多くの人が、天下国家の理想を語っていた時代。前島密は、理想や精神論を語ることがほとんどなかったという。そんな彼を様々な偉業へと突き動かした「情熱」「想い」は、どのようなものであったのか。新潟・函館・ロンドンなど前島密の足跡をたどりながら、その人物像に迫る。
前島密の人物像を紐解く一つのキーワードが“余地”という言葉。前島は様々な場面で口癖のように「余地をもって」という言葉を口にしたという。血気にはやりがちな幕末の混乱期にも、文明国として歩みだしたばかりの一国の代表として外国人と向かい合う時にも、「余地をもって行動すべし」というメッセージを、周囲に、そして自らに投げかけつづけた。

番組では同年に生まれた坂本龍馬との比較や、前島の才能を見出した大隈重信との関係など、多角的な視点から前島密の人物像をひも解いていく。郵便事業の創業から140年余りがたっているが、改めて「余地の人」前島密を捉え直すことで、今の時代の閉塞感を打ち破るためのヒントを探っていく。

ナビゲーター

【ナビゲーター】紺野美沙子
【解説】加来耕三 (歴史家・作家)
【ゲスト】井上卓朗 (逓信総合博物館 主席資料研究員)