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今回は、埼玉の所沢に残る「柳瀬荘」を訪ねます。柳瀬荘は、日本の電力事業で大きな功績を残した実業家・松永安左エ門が、昭和5年から14年にかけて営んだ別荘です。5000坪を超える敷地内には、黄林閣、斜月亭、久木庵の3棟が建ち、今も武蔵野の面影が保たれた雑木林の中に保存されています。安左エ門は還暦を迎える頃に茶の湯を始め、その後“耳庵”と号しました。柳瀬荘造営中のことで、そのため随所に数寄屋風の味わいが見られます。主屋である黄林閣は、近隣の農家から江戸後期の建物を購入し移築した田舎家です。伝統的な大型農家の佇まいはそのまま残しながら、一部を数寄屋風に改築した耳庵の個性が光ります。久木庵は、解体されていた江戸初期の部材を使って建て替えた2畳台目の茶室。草庵的な侘茶の風情が漂います。斜月亭は、昭和14年に東大寺や当麻寺の古材を集めて建てられた数寄屋風の書院です。書院座敷でありながら、自由奔放な発想で建てられたこの建物には、近代数寄者としての本領が如何なく発揮されています。電力王と称された人物が、激動の戦前戦後を過ごした柳瀬荘。実業界の巨人であり近代茶人でもあった松永耳庵の思いが刻まれた別荘です。
・柳瀬荘 埼玉県所沢市大字坂之下437 TEL:04-2944-2009 公開日:毎週木曜日 ※年末年始(12月23日~1月15日)は除く 公開時間:午前10時~午後3時(10月~3月) 午前10時~午後4時(4月~9月) 入館料:無料(外観のみご見学いただけます) 交通: ・東武東上線志木駅から跡見女子大行きバスで15分、「中野」下車徒歩5分 ・西武新宿線所沢駅から志木駅南口行きバスで25分、「西側」下車で徒歩3分
※上記以外の情報については、公開出来ません。
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今回は、埼玉の所沢に残る「柳瀬荘」を訪ねます。柳瀬荘は、日本の電力事業で大きな功績を残した実業家・松永安左エ門が、昭和5年から14年にかけて営んだ別荘です。5000坪を超える敷地内には、黄林閣、斜月亭、久木庵の3棟が建ち、今も武蔵野の面影が保たれた雑木林の中に保存されています。安左エ門は還暦を迎える頃に茶の湯を始め、その後“耳庵”と号しました。柳瀬荘造営中のことで、そのため随所に数寄屋風の味わいが見られます。主屋である黄林閣は、近隣の農家から江戸後期の建物を購入し移築した田舎家です。伝統的な大型農家の佇まいはそのまま残しながら、一部を数寄屋風に改築した耳庵の個性が光ります。久木庵は、解体されていた江戸初期の部材を使って建て替えた2畳台目の茶室。草庵的な侘茶の風情が漂います。斜月亭は、昭和14年に東大寺や当麻寺の古材を集めて建てられた数寄屋風の書院です。書院座敷でありながら、自由奔放な発想で建てられたこの建物には、近代数寄者としての本領が如何なく発揮されています。電力王と称された人物が、激動の戦前戦後を過ごした柳瀬荘。実業界の巨人であり近代茶人でもあった松永耳庵の思いが刻まれた別荘です。