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#215

画家が造った古民家のアトリエ
〜日本画に新風を吹き込んだ巨匠・吉岡堅二の旧居~

今回は東京都東大和市に残る「旧吉岡家住宅」を訪ねます。吉岡家住宅は、法隆寺金堂壁画の再現模写に携わった日本画家・吉岡堅二が、昭和19年から暮らした家です。もともと地元で代々名主を務めていた池谷家の家でしたが、堅二が買い取り自宅兼アトリエとして移り住んだのです。現在は東大和市が所有し、吉岡堅二の業績を伝える旧居として一般に公開されています。屋敷に近づくとまず驚かされるのは、その豪壮な長屋門。これは池谷家時代のものではなく、解体されていた長屋門を探し出して移築・復元したものです。伝統的な門をくぐって敷地内に足を踏み入れると現れるのは、かつての名主の家に相応しい大型養蚕農家の佇まい。でもよく見ると、随所にモダンなデザインのアレンジが施されています。吉岡堅二は、伝統的な日本画に油絵や抽象画の手法を取り込み、革新をもたらせた人物として知られています。そのため彼の柔軟な思考が、この家のアレンジにも反映されています。なかでも目を惹くのは、かつての土間を改修したアトリエ。絵具や筆、そして置物に至るまで、彼が使っていた当時のまま保存されています。旧吉岡家住宅には、吉岡画伯の魂がそのまま息づいていました。

取材先情報

旧吉岡家住宅
東京都東大和市清水3-779
TEL:042-567-4800(東大和市立郷土博物館)
交通:【電車】西武多摩湖線 武蔵大和駅から徒歩5分
   【バス】ちょこバス (市内循環バス) で
清水観音堂 (郷土美術園) 下車徒歩1分
 
・特別公開
例年、春と秋に特別公開を行っています。
詳細は、東大和市のホームページをご確認ください。