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#226

御岳山中で歴史を刻む神職の家
~幕末に建てられた「馬場家御師住宅」~

今回は東京・青梅市にある「馬場家御師住宅」を訪ねます。“御師”とは、武蔵御嶽神社に仕える神職のこと。馬場家がこの地に移り住んだのが江戸中期ごろとされ、以来250年以上御師を世襲しています。武蔵御嶽神社は、御岳山の頂上に鎮座しているため、馬場家をはじめ多くの御師たちが周辺に居を構え集落を形成しました。かつての参拝客は険しい山道を登らなくてはならず、そのため御師の住居は宿坊の役割も備えるようになりました。馬場家では今も14代目が御師を務め、宿坊と共に茶処も営んでいます。現在の主屋が建てられたのは、幕末の慶応2年。その後大きな改造もなく、江戸期の御師住宅の姿がほぼそのまま残された稀有な例として、平成元年に東京都の有形文化財に指定されています。来訪者がまず驚くのは、迫力ある茅葺屋根と格式ある式台玄関。入り口の舞良戸には漆が塗られ、歴史と格式を物語っています。何より特徴づけているのは「神前乃間」と呼ばれる祈祷の部屋。かつてはここで祓いを受けた後、神社へと向かったそうです。一方、宿泊客をもてなす座敷には、格式ある書院造の中にこだわりの材と意匠を盛り込んでいます。神事ともてなしの共存する馬場家御師住宅には、独特の文化がありました。

取材先情報

・馬場家御師住宅
東京都青梅市御岳山54番地
 TEL:0428-78-8446
アクセス:
お車でお越しの方

中央道の場合
・八王子ICから御岳登山鉄道ケーブルカー「滝本駅」まで約60分
・御岳登山鉄道ケーブルカー「滝本駅」から「御岳山駅」まで約6分
・「御岳山駅」から御師集落方面へ徒歩約10分

圏央道の場合
・青梅ICから御岳登山鉄道ケーブルカー「滝本駅」まで約40分
・御岳登山鉄道ケーブルカー「滝本駅」から「御岳山駅」まで約6分
・「御岳山駅」から御師集落方面へ徒歩約10分

電車でお越しの方
・JR青梅線「御嶽駅」で下車
・西東京バス「御岳駅」から「ケーブル下駅」へ約10分
・御岳登山鉄道ケーブルカー「滝本駅」から「御岳山駅」まで約6分
・「御岳山駅」から御師集落方面へ徒歩約10分

 定休日:不定休
茶処 営業時間:午前8:30~午後5:00
宿坊 チェックイン:午後3時
チェックアウト:午前10時