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#229

スタジオが継承する鎌倉の商家
~3世代の記憶「旧田島屋材木店」~

今回は神奈川県鎌倉市にある「旧田島屋材木店」を訪ねます。この建物は石渡吉隆という材木商によって昭和2年に建てられました。本来商家といえば町家建築を思い浮かべますが、この家は塀で囲われた敷地の中に店を構えているため、外観からはここが商家であるとはとても思えません。じつは田島屋材木店は戦時中、統制会社令により横浜の統制会社に統合されています。そのため店舗としての使用がなくなり、戦後住居用へと変更されました。そんな生活の変遷に合わせた改修も見どころの一つとなっています。端正な書院風の座敷に入ると目を惹くのは、材木店ならではの極めて太い材。関東大震災後の建物だけに耐震性に重きを置いています。戦前戦後の貴重な住宅史ともいえるこの家は、長女の弥重子氏が住まいとして大事に住み続けていましたが、現在は孫の隆也さんが継承しています。カメラマンでもある隆也さんはこの家を何とか維持すべく、撮影スタジオ兼貸スペースとして活用を始めました。ライターである妻の真由美さんとともに、家の歴史を紹介する本を自費で出版するなど、多くの人々にその魅力を発信しています。旧田島屋材木店は、3世代に渡る記憶と共に生きる家でした。

取材先情報

鎌倉 古民家スタジオ・イシワタリ
神奈川県鎌倉市長谷1-1-6
※由比ヶ浜駅から徒歩5分
TEL:080-5058-8515(福井)
TEL:080-6597-8515(石渡)
ご利用については「鎌倉 古民家スタジオ・イシワタリ」HPを要確認