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#260

宿場町に残る明治の金物店~埼玉県越谷市「木下半助商店」~

今回は埼玉県越谷市の「木下半助商店」を訪ねます。木下半助商店は、旧日光街道・越ヶ谷宿に建つ老舗の金物店です。奥に深い敷地には、明治後期から大正前期に建てられた店、蔵、主屋が建ち並び、越ヶ谷宿の典型的な町家の構えを今に残しています。ユニークなのは店舗部分が仮設であること。明治32年の大火のあと、焼け残った瓦礫などを寄せ集めて急ごしらえで造った建物なのです。仮設でありながら120年もの間そのまま現役で使われているのは驚きというしかありません。店内にはありとあらゆる商品が並べられ、座売りの形式や揚げ戸の設えなど、伝統的な商家の要素を満たしています。一方重厚な蔵や、銘木と匠技を駆使した主屋の造りから、この家はかなり腕の立つ大工棟梁が手掛けていることが分ります。今も古い商家が点在する越ヶ谷宿にあって、完全な構成で残されている町家、木下半助商店。時代を超えて現役で生き続ける名建築です。
 
案内人:田村公一(一級建築士)

建築用語チェック!

床框とこがまち
床板や床畳の前端を隠すために入れる化粧横木

取材先情報

・木下半助商店
 埼玉県越谷市中町7-20
※個人宅につき店舗以外は非公開

営業時間:日によって異なります

【電車】東武スカイツリーライン「越谷駅」東口より
    徒歩15分