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#273

鹿ケ谷の渓谷に建つ客殿
~京都・左京区「和中庵」続編~

今回は京都・左京区「和中庵」の続編。近江商人が昭和初期に造った邸宅・和中庵は、戦後修道院へと受け継がれ、さらにノートルダム女学院の施設として継承されています。施主の藤井彦四郎は、大文字山の裾野に広がる鹿ケ谷の自然をそのまま生かした庭園を造りました。そこに建つ開放的な茶室には、内と外の連続した世界観が広がっています。一方険しい渓谷の上部に建つのは、客殿と呼ばれる壮大な和館。そこには再現不可能な驚きの意匠が施されています。じつは和中庵は、修復費用が莫大にかかるため取り壊しが決定した時期がありましたが、保存を願う人々の尽力により現在の美しい姿が守られたのです。近江商人が贅を尽くして建てた名建築は、今も学び舎として生き続けています。
 
案内人:矢ヶ崎善太郎(大阪電気通信大学工学部教授)

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錆壁
壁の上塗りの土に醤油に漬けておいた鉄粉または鉄屑をまぜて塗った壁。
鉄から生ずる赤錆により斑紋を生じ、古雅な趣を加える。

取材先情報

・ノートルダム女学院中学高等学校 和中庵
京都市左京区鹿ケ谷桜谷町110 TEL:075-771-0570
 
【アクセス】・市バス 5,17,93,203,204系統「錦林車庫前」から徒歩約8分
               32,100系統「上宮ノ前町」から徒歩約5分
【ご見学について】
見学は以下の方を対象に行っております。
(1)本校の職員及び生徒
(2)本校の同窓会、父母の会等の学校関係団体
(3)公共団体又は公共的団体
(4)学術的目的による研究者
※一般の方は年に数回の公開の機会をご利用ください。
イベントの際にご見学が可能な日がございます。
詳しくは和中庵公式サイト「イベント」ページをご覧ください。