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#281

近代和風建築の最終章
~東大阪市 樟蔭学園「樟徳館」洋風居間編~

今回は東大阪市の樟蔭学園「樟徳館」の続編。材木商で樟蔭学園の創立者でもある森平蔵が
昭和初期に建てた邸宅は、驚きの銘木と見たこともない和洋折衷のデザインに彩られています。今回は、プライベートソーンを中心に巡ります。玄関のすぐ横にある部屋は、執事室と呼ばれていますが、実際には施主の森平蔵が執務に使った部屋。造り付けの棚には、今ではお目にかかれない仕掛けの鍵に出会います。使用人の仕事部屋は広く明るく、柔らかな数寄屋の意匠まで施されて、平蔵の教育者らしい近代的な思想が見て取れます。極め付きは洋風居間と呼ばれる広間。あくまでも二間続きの座敷の構えなのですが、床は何と寄木細工。広縁はむしろサンルームといった趣です。見事な桜の彫り物が施された欄間や、銘木以外は使っていない床など、自由で合理的な設えは、まさに近代和風建築の最終章ともいえる邸宅です。
 
案内人:大場 修 (立命館大学教授)

建築用語チェック!

つか
2階の梁の上や、1階の床下などに立てる短い柱のこと。

取材先情報

・樟徳館
大阪府東大阪市菱屋西2-4-12 TEL:06-6723-8152(樟蔭学園 学園広報課)
【一般公開】 
・教育施設につき一般公開はしていません。
※4年に1度特別公開を実施しています。詳しくはホームページをご覧ください。
https://www.osaka-shoin.ac.jp/news/2020/4535/