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#285

アール・ヌーヴォーと和の饗宴
~京都市「櫻谷文庫」創作空間編~

今回は京都市の「櫻谷文庫」続編。櫻谷文庫は、大正2年に日本画家・木島櫻谷によって造られた住居兼アトリエです。敷地内には主屋・洋館・画室が残されていますが、今回は洋館と画室を拝見します。様式建築に独自のデザインを盛り込んだ不思議な趣きの洋館を入ると、いきなり現れるのが、アール・ヌーヴォー風の曲線を描く階段。なめらかなカーブを上りきると、今度は書院造を基調とした和の部屋が現れます。思わず木島櫻谷の世界に引き込まれてしまうような、不思議な和洋折衷のデザインです。一方敷地の奥に建てられているのが巨大な画室。80畳からなるその空間は、京都画壇の中でも最大級の広さを誇っています。作画に適するように、高窓から柔らかな自然光が入るこの画室は、現在でも絵画や書道の教室として使われ、木島櫻谷の創作の場を多くの人々が享受しています。
 
案内人:矢ヶ崎善太郎
(大阪電気通信大学工学部教授)

取材先情報

・公益財団法人 櫻谷文庫
〒603-8343 京都府京都市北区等持院東町56 TEL:075-461-9395
【開館日時】
※不定期につき詳しくはWEBでご確認ください。
https://twitter.com/oukokubunko

【アクセス】
・市バス「北野白梅町」下車徒歩約7分