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マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~

時にケンカをしながら支え合う。三兄弟を通して描かれる家族の絆

韓国ドラマは、濃厚な家族関係が描かれているところも魅力の一つ。「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」でも、パク家の二男ドンフンを囲む個性的な三兄弟のやりとりが人気を集めました。会社をクビになり実家に戻って来た長男サンフン、かつては天才と言われたものの20年間も新作が撮れないでいる映画監督の三男ギフンは、よくあるだらしない兄弟の見本のようですが、彼らの日常生活は実にリアルに描かれ、まるでご近所さんか親戚の家を覗き見るような面白さがあり、シリアスなムードの本作の中で笑いと癒しを与えてくれます。
そんななか、二人から頼りにされているのが堅実で真面目なドンフンです。長男や末っ子にスポットが当たることが多い中、本作では二男が主人公になっているところも新鮮で、この二男が母親から一番心配されている存在になっています。なぜならドンフンは、問題の多い長男と末っ子の間にはさまれ、いつも自分を抑えて我慢をしているからなのです。サンフンとギフンも、そんなドンフンの性格をよくわかっており、彼らなりの気遣いでドンフンを思いやります。時にケンカをしながらも支えあう、そんな三兄弟の愛情模様が胸に染み入ります。
演出を手掛けたのは「ミセン-未生-」「シグナル」などの名作を送りだしたキム・ウォンソクで、ドンフンのみならず、サンフンやギフンそれぞれの生き方もしっかりと描く手腕は、さすが名演出家。生きづらい世の中でもがき苦しむ兄弟たちの泣き笑いの人生にほろりとさせられます。ジアンとドンフンの関係には「他者への信頼」が描かれていましたが、三兄弟が織りなす韓国ならではの強い「家族の絆」も本作の大きな魅力のひとつになっています。