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マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~

明けることのない暗い夜に、互いの存在が光になる――心に残る風景と踏切

 つらい境遇に置かれ人を拒絶して生きている21歳のジアン(IU)と、平穏だけれどすべてを諦めたかのような思いで毎日を過ごしている中年の会社員ドンフン(イ・ソンギュン)。2人の交流を温かな視点で綴った「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」は、彼らを取り巻く風景も強く心に残ります。

 年齢も立場もまったく共通点のないジアンとドンフンですが、明けることのない暗い夜を歩いているかに見える日々を送っているのは同じ。夜の道を歩いていく2人の姿を目にするだけで、言葉にはできない思いが伝わってくるようです。そんな彼らにとって互いの存在は、わずかでも道を照らしてくれる街路灯のようなものと言えるかもしれません。ドンフンとジアンがぎこちなく杯を合わせる居酒屋の、暗い街の一角でそこだけが放つ柔らかな琥珀色の光も、孤独な2人を優しく包んでいるように思えます。

 そうした中で、彼らが何度も通る踏切の風景が特に心に残ります。遮断機を隔てて線路の手前からドンフンの様子を見守りながら、時には一緒に歩きながら、彼への想いを深めていくジアン。後ろに見える超高層ビルと古くからある街の踏切という、一見不似合いな組み合わせが一つの場所に収まっているのが印象的です。この踏切は今春、韓流モーニングでも放送された「ブラックドッグ〜新米教師コ・ハヌル〜」にも、主人公・ハヌルの家の近所として何度も登場したので気づかれた方もいるのでは。最近では「ナビレラ-それでも蝶は舞う-」でも使われました。ソウル中心部の龍山(ヨンサン)駅に近く、行きやすい場所にあるので、機会があったら訪れてみてはいかがでしょうか。

ロケ地に使われた龍山駅近くの踏切