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刑務所のルールブック

塀の中の日常をユーモラスに描いた傑作ヒューマンドラマ

 不運な出来事から犯罪者となってしまった野球選手ジェヒョクの刑務所での日々を描いた「刑務所のルールブック」。題名から重く暗い話を想像した人も多いと思いますが、本作は極上のヒューマンドラマです。ジェヒョクを中心に受刑者たちの日常がユーモラスに綴られています。
 
 ケンカや裏切り、不正などシリアスな場面もありますが、人間の持つ弱さや優しさ、そして支えあう心が温かい視点で捉えられ、韓国で大ヒット。日本でも口コミで面白さが広がり、「刑務所モノなのに心が温まる!」と話題を呼びました。
 
 登場するのは、おもに地味でコワモテなおじさんたちですが、その日常風景があまりにも面白おかしく、次第に可愛く見えてくるから不思議。そんな彼らとジェヒョクが心を通わせていく過程にも和まされます。ジェヒョクは、メジャーリーグからスカウトされるほどの優秀な投手ですが、野球以外ではなんとも不器用でバカ正直な男。無表情ゆえに気持ちが読めないのですが、意外に機転が利き、後になって「そうだったのか!」と明かされる展開も楽しく、スカッとさせられます。そんなジェヒョクを見事に好演したパク・ヘスは本作でブレイク。今や映画やドラマに引っ張りだこの存在となりました。
 
 原題は「賢い監房生活」で、そのタイトル通り、様々な知恵とスキルを活用して刑務所暮らしを賢く乗り切っていくジュヒョクを思わず応援したくなります。それと共に、単純に「悪」とくくり切れない人たちが辿るそれぞれの人生模様が心に刺さり、温かな感動が胸に広がっていきます。