EARTH friendly スペシャル 北極圏3000キロ!白夜の大航海~ホッキョクグマの聖地を行く~

EARTH friendly スペシャル 北極圏3000キロ!白夜の大航海~ホッキョクグマの聖地を行く~

番組概要

北極圏で出会った生き物たち

スバールバルトナカイ、ヒメウミスズメ、ニシツノメドリ、ホッキョクギツネ、ハシブトウミガラズ、ミンククジラ、クリオネ、セイウチ、シロイルカ、アザラシなど・・・
そして、ホッキョクグマの親子

ノルウェー領スバールバル諸島には北極圏でありながら野生動物の宝庫 奇跡の自然がある。

海流の影響で膨大なプランクトンが発生するこの海域には、多くのクジラや魚たちが集まり、さらにその魚たちを求めて海鳥やアザラシがやってくる。そしてアザラシは、絶滅の危惧もあるとされるホッキョクグマの餌になるのだ。

いま地球温暖化の影響で、北極圏の氷が溶け、アザラシが住む環境に変化がでているという。
番組は、スバールバル諸島の生態系の頂点にある、ホッキョクグマを求めて白夜の海を4週間に渡って航海した。

乗船したのは自然写真家、寺沢孝毅氏。そこで彼が見たものは、セイウチ、アザラシ、ミンククジラなど数々の動物たち、壮大な断崖に営巣する60万羽の海鳥、そして地球温暖化で餌場を失ったホッキョクグマが、必死に生き抜こうとする姿だった。

【ナレーション】 志田未来

放送内容

探検の舞台となるスピッツベルゲン島は、北緯79度の北極圏に浮かぶスバールバル諸島(ノルウェー)にあります。
スカンジナビア半島北部のトロムソから、さらに1000キロ北上した位置です。スピッツベルゲン島には、人口約2500人のロングイェールビーエンの町があり、ここを拠点に約4週間の冒険の船旅は始まります。

船長はオランダ人のマーク・バン・デ・ウェグ。北極圏での航海歴は10年になります。乗組員は公募の7人。

北極圏の島スピッツベルゲン島のロングイェールビーエンを6月19日に出航して、北極圏を航海、ほぼ1ヶ月後にロングビヤーゲンに帰航します。

白夜が広がる夏とは言え、北極圏の気温はマイナス20度の極寒の世界にも。どんな冒険が待ち受けているのか?ホッキョクグマやアザラシに遭遇するチャンスもあります。

乗組員たちの人間模様も興味深く、地球温暖化の影響を最も端的に受ける局地で、絶滅も危惧されるホッキョクグマを始め、北極圏を航海し探検しながら見つめる実情は、注目を集めるに違いありません。

探検は、フィヨルドの海をゆく長さ20メートルのヨットがベースキャンプ。6~7月のスバールバル諸島は、接岸していた流氷が溶けて海が開ける季節です。今回の探検で寺沢氏が特に狙いたい「決定的瞬間」は、この地域の生態系の頂点であるホッキョクグマがアザラシを捕食する瞬間です。

それはまさにホッキョクグマの「生」を象徴する貴重なシーン。一方で、地球温暖化の影響で氷の面積が狭まり、いま、ホッキョクグマが好物のアザラシを補食する事は難しくなってきています。時代を象徴するシーンとして撮影したいと寺沢さんは考えています。

そして4週間という長期にわたる探検調査は、海さえ開けば、北緯80度、北東に浮かぶクビト島の、スパールバル諸島最大のセイウチコロニーを訪れる事を可能にします。

かつて工芸品の材料として希少だったセイウチの牙。ヨーロッパでその牙を求めて乱獲が行われた1900年代前半、この地域でセイウチは絶滅しそうになりました。いまは、政府の保護政策が功を奏し、このクビト島は500頭を越えるセイウチの繁殖地になりました。
そのセイウチの巨大なコロニーを撮影するのも寺沢さんの大きな目的のひとつです。

北極圏の生き物たちの生態を撮影する事で、「地球環境のいま」と「守りたい命」の現状をレポートします。

出演者プロフィール

【写真家】寺沢孝毅

1960年、北海道士別市生まれ。
1982年4月、北海道教育大学を卒業後、希望して天売島にある羽幌町立天売小学校に教師として赴任。
1992年、10年間の教員生活の後に退職、天売島に住み着く。絶滅危惧種のウミガラスをはじめとする海鳥の保護・調査のかたわら自然写真家としての活動を本格的に開始する。
1992年、ウミガラスの保護活動で北海道青少年科学文化振興賞受賞。
1999年に、天売島海鳥情報センター「海の宇宙館」を天売島に開設し、自身の写真を生かした展示を行う。
2006年、ウミガラスなどの長年にわたる鳥類保護で日本鳥類保護連盟会長賞を受賞。
2009年、守りたい生命プロジェクト有限責任事業組合(LLP 守りたい生命プロジェクト)を設立し、代表に就く。

取材地は、天売島はもちろんのこと、知床、ロシア、アラスカ、北極圏、ボルネオ島、西表島など多岐にわたり、熱帯から極地までカバーする。写真と音を使った講演活動「フォト&サウンドライブ」を全国展開し、撮影取材したことを学校や各種団体を通じて広く伝えることに努めている。