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#444

林英哲(太鼓奏者)

ゲスト×インタビュアー
林英哲(太鼓奏者)×石原正康(編集者)

インタビューの舞台は、神奈川県の山奥にある稽古場。
大太鼓に向かって、バチを高々と上げ、背を向けて打つ演奏スタイル「正対構え」。
今ではよく見る打ち方は、40年以上前に林が考案した。その正対構えに隠された知恵とは?

1952年、広島県に生まれる。実家は500年以上続く真言宗の寺。8人兄姉の末っ子。絵を描くことが好きだった林の夢は、グラフィックデザイナー。1970年、美大を目指し上京。この時期、思わぬ形で太鼓と出会う。

1971年、19歳の時、「佐渡・鬼太鼓座」の創設に参加。主宰者は学生運動の経験者。新潟県の佐渡島に芸能を核とした集団を作り、海外公演で儲けた利益で大学を作るという野望を抱いていた。太鼓・三味線など、伝統芸能を徹底的に叩き込まれる。
それと並行して強いられたのが、禁酒・禁煙・禁欲…テレビなどの情報も一切禁じられた共同生活。自由行動さえなく、365日ひたすら走らされた。結果、林は19歳から11年間、世間と交わらず…。閉じ込められた過酷な日々を語ってくれた。

主宰者が考案した世界デビューの舞台はボストンマラソン。フルマラソンを走り切りゴール直後に太鼓を叩け!と奇想に近いものだった。だが、一糸乱れず太鼓を打つ日本の若者たちの姿は、世界を驚かす。そして、林は運命を変える人物と出会う。
天才指揮者、小澤征爾だった。
「佐渡・鬼太鼓座」崩壊後、1982年、日本初の太鼓独奏者として活動開始。
多種多様な太鼓を並べて打つ林考案の演奏法。100種以上!バチの深い世界やこだわりの衣装を披露。そして、胸に響く太鼓の音楽をたっぷりとお届けします。