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#35

「瑞龍寺」(富山) 「増上寺」(東京)

「瑞龍寺」(富山県)

北陸の城下町、高岡に築かれた瑞龍寺(富山県)。加賀百万石の藩主である前田家三代利常が、兄利長の菩提を弔うため、二十年をかけて建立した禅寺です。「伽藍瑞龍」と謳われ、威容を誇る山門、仏堂、法堂は国宝。幕府の命で高岡城が廃城とされたため、伽藍は城郭の機能を兼ね備えました。白く輝く仏殿の屋根は珍しい鉛瓦葺き。最大堂宇の法堂には利長の位牌が安置され、華厳経の教えに基づいて、素朴な野菜や雑草を描いた天井画に荘厳されています。

 

「増上寺」(東京都)

東京タワーやビル群を背負う大都会の寺、増上寺(東京都)。徳川家の菩提所であり、家康入府以前から、浄土宗の関東の要として信仰を集めてきました。三解脱門(三門)の楼上から、街を見渡す五木さん。その目には現在の街並みを透かして、品川沖や房総半島までもが浮かびます。徳川霊廟では、そこに眠る六人の将軍に思いを馳せました。直木賞作家にして増上寺法主、五木さんとは旧知である成田有恒師(故人)との宗祖法然をめぐる、奥深い対談も収録しています。