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#63

築地本願寺(東京都)・金閣寺(京都府)・高野山(和歌山県)

「築地本願寺」(東京都)

 

銀座に程近いビル街にあって、その外観が異彩を放つ築地本願寺(東京都)は、浄土真宗本願寺派の関東の拠点。本尊・阿弥陀如来立像を安置する本堂に設えられた椅子やパイプオルガンは、伝統的な日本建築の内陣に見事に調和しています。関東大震災で伽藍を焼失後、この寺院を共作したのは、冒険家でもある第22代宗主・大谷光瑞と稀代の建築家・伊東忠太。同じ頃にアジアを旅した二人が、仏教の源流への思いを結実させた古代インド様式です。

  


 

「金閣寺」(京都府)

 

金閣寺(京都府)の正式名称は、北山鹿苑寺。室町幕府三代将軍・足利義満は出家後、左大文字山の裾野に広大な山荘を築きます。その建造物の一つが金閣。この地に絢爛な北山文化が花開きました。しかし、権勢の絶頂で義満が没すると、跡を継いだ息子は建物の多くを解体。戦火を経て残ったのは金閣のみでした。五百年後、一人の学僧の放火で金閣は全焼。人々の熱い思いにより再建された金閣は、権力の象徴から美の象徴となって、今も輝いています。


 

「高野山」(和歌山県)

 

高野山(和歌山県)は、弘法大師空海が深山の地に開いた密教の修行道場です。一山全体を境内とするこの寺の名は総本山金剛峯寺。中心伽藍の一つ、根本大塔の内部には曼荼羅世界が広がり、参拝すれば仏と結縁できるとされます。また、奥の院の大師御廟前の燈籠堂にはあまたの燈籠に灯が点り、その荘厳さに五木さんも息を飲みました。空海は没したのではなく入定した、つまり、今も生きているとされ、燈籠堂には毎日食事が奉げられています。