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放送内容

#67

中宮寺(奈良県)・長勝寺(青森県)・弘川寺(大阪府)

「中宮寺」(奈良県)

 

中宮寺(奈良県)は、聖徳太子が母・穴穂部間人皇后の遺志によって建立した日本最古の尼寺。度重なる火災を経て、現在のコンクリートの本堂が高松宮妃殿下の発願で建立されました。優美な漆黒の本尊・弥勒菩薩半跏像がかすかに微笑み、対峙する人を魅了します。聖徳太子が往生した世界を撚糸の刺繍で描き出した天寿国繍帳。図柄には太子の「世間虚仮唯仏是真」という言葉も縫い込まれています。五木さんは斑鳩の里を歩き、往時に思いを馳せました。

  


 

「長勝寺」(青森県)

 

津軽藩歴代藩主の菩提寺である長勝寺(青森県)は、城下町弘前の一角を成す禅林街の親寺。約四百年前、弘前城の建立時に領内から33の曹洞宗寺院が移築されて禅林街を成し、有事の出城の役目を担っていました。最奥の長勝寺は本堂に釈迦三尊像を安置しています。昭和29年、十一代藩主の世継ぎと目された承祜公のミイラ化した遺骸が百年の歳月を経て発掘され、話題となりました。本堂西側の木立には贅を尽くした意匠の霊廟五棟が並びます。

  


 

「弘川寺」(大阪府)

 

弘川寺(大阪府)は山岳修験道の聖地とされる葛城山の麓に立ちます。修験道の開祖・役行者の創建。桜をこよなく愛した歌人・西行の終焉の地としても知られます。本堂北側の山道の先に立つ歌碑に刻まれているのは「願はくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月のころ」。平安末期、武家に生まれた西行は若くして妻子を捨てて出家します。旅の中で多くの和歌を詠み、歌に詠んだ通りに生涯を終えました。桜の季節には西行を慕う参拝者が集います。