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中川重年(玉川アルプホルンクラブ代表)

のどかで雄大なアルプホルンの響き・・・ここはスイス!? いえいえ、ここは日本の公園です。演奏するのは玉川アルプホルンクラブの皆さん。長さ3.4メートルもあるこの楽器を制作したのは、なんと演奏者たち自身なんです。しかも間伐材を生かして手作り。楽器作りと演奏を30年余りに渡ってリードしてきたのが、クラブを主宰する森林研究者の中川重年さんです。地元・神奈川県厚木市の森林組合の協力で、市有林から伐採した間伐材を二つに割り、内部をくりぬき、表面を磨き上げます。先端のカーブの部分に必要なのは、斜面に生える根元が曲がった「根曲がりの木」。根元が曲がっているため建築用材に向かない「根曲がりの木」を使うことに、中川さんは環境的な価値を見出しているのです。林業試験場で勤務していた頃、イベントでアルプホルンのコンサートを提案。しかし、予算の関係で楽器が足らず、中川さん自身が手作りしたのがきっかけでした。今では中川さんが楽器作りを手伝った地域は全国24都道府県に及び、1400本以上のアルプホルンが生まれています。中川さんは「山の木材を生かすアルプホルンの音楽活動を通して、森と人の関わり方について多くの人たちに思いを馳せてもらいたい」と情熱的に語ります。

★中川さんの活動をもっと知るには・・・
http://www.tamagawa-alphorn.com/