春の京都・眠れる秘宝 2016 ~探訪 非公開文化財~

春の京都・眠れる秘宝 2016 ~探訪 非公開文化財~

お知らせ

・「春の京都・眠れる秘宝2016」の再放送が決定!
 2017年2月14日(火)午後11:00~11:54放送

・「春の京都・眠れる秘宝2016」の放送が決定!
 2016年4月10日(日)午後1:00~1:56 初回放送
・京都古文化保存協会が運営する「春期京都非公開文化財特別公開」の 詳細情報はこちら

・昨年4月放送の番組情報は こちら

番組概要

京都の寺社には、保存の難しさなどから一般公開されていない文化財が少なくありません。
それらを拝観できる貴重な機会が、「京都古文化保存協会」の主催で毎年春と秋の2回行われている『京都非公開文化財特別公開』です。昨年、番組では、俳優・片岡鶴太郎がその特別公開が行われる寺社を巡り、秘宝と呼ぶに相応しい数々の貴重な文化財を目のあたりにしました。
そして今回、第2弾として、再び片岡が京都市内の寺社を訪れ、絵画・仏像・建築など、普段ほとんど見ることのできない貴重な文化財に触れ、その美しさや魅力はもとより、それら大切に守り、受け継いでいくことの大切さをお伝えします。

■出演 片岡鶴太郎

訪問スポット

●長建寺(京都市伏見区)
豊臣秀吉によって城下町として開かれ、京都の中心部・洛中とは異なる、独特の文化が紡がれてきた伏見。この地の一角に建つ、朱塗りの山門と壁が印象的な寺が長建寺です。
地元の人々から「島の弁天」と呼ばれ親しまれてきたこの寺の本尊で八本の腕を持つ「八臂辨財天像」、蛇の体を持ち、秀吉にも似ていると伝えられる「宇賀神将像」などを拝観。さらに、先頃発見されたばかりの、もう1つの「宇賀神将像」を拝見させてもらいます。

●伏見稲荷大社(京都市伏見区)
全国に約3万社あるといわれる稲荷神社の総本社で、楼門や本殿など数々の建築物が国の重要文化財に指定されている伏見稲荷大社。中でも通常、非公開の書院造りのお茶屋には、狩野永徳の襖絵、狩野探幽が描いたと伝わる墨絵など、数々の貴重な文化財が大切に残されています。
さらに、庭園の呈茶所「松ノ下屋」では、片岡が心酔する現代木版画家の巨匠・棟方志功の手による、これまでほとんど公開されていなかった作品との出会いが待っていました。

●法界寺(京都市伏見区)
真言宗醍醐派の古刹で、浄土真宗の宗祖である親鸞ともゆかりのある法界寺。国宝の阿弥陀堂には、やはり国宝に指定されている阿弥陀如来坐像が安置されているだけでなく、土壁や柱に描かれた装飾画自体も重要文化財に指定されています。片岡はこの装飾画にひとかたならぬ興味を抱きました。そして今春、実におよそ半世紀ぶりに特別公開されることになったのが重要文化財の薬師堂。その内部に大切に安置されてきた秘仏中の秘仏、薬師如来立像を間近に見ることが出来た片岡は、一体何を思うのでしょうか?

●下鴨神社(京都市左京区)
世界遺産「古都京都の文化財」の一つで、去年、21年に一度の式年遷宮が行われた下鴨神社。国宝や重要文化財に指定されている建造物が数多く並ぶ境内の一角を占めるのが、東京ドームのおよそ3個分の広さを誇る「糺の森」です。約40種・4700本の木々が生い茂るこの森は、長い歴史の中でどのようにして守られてきたのでしょうか?また、そもそも神社にとって鎮守の森とはどのような存在なのか、片岡の目を通して伝えます。

●仁和寺(京都市右京区)
真言宗御室派の総本山で、世界文化遺産にも指定されている仁和寺は、平安時代、日本が中国大陸の影響を色濃く受けた文化から、日本らしさを強めた国風文化へと移行していく過渡期に建造されました。そこは、京都三大門の一つである仁王門や五重塔など文化財の宝庫。とりわけ国宝・金堂は、日本の歴史上、重要かつ貴重な建造物として知られています。今回、通常非公開の、創建当初の本尊と伝えられる「阿弥陀三尊像」を拝観させてもらいます。

●奥谷組(京都市南区)
国宝・法界寺阿弥陀堂など、数多くの建築物の修復を手掛けてきた社寺建築の会社「奥谷組」。その修復の現場や、技術の粋を見せてもらうべく片岡が訪問します。存在自体が貴重な文化財である寺社建築を守るべく、連綿と伝えられてきた職人たちの技術とは?また、後継者の育成、建材の確保など、文化財を後世に残していく上での課題や問題点にも迫ります。

★昨年の番組で紹介した西念寺「仏涅槃図」が重要文化財指定に
京都五条通に面した浄土宗の小さな寺に伝わってきた仏画「仏涅槃図」。調査の結果、なんと平安時代後期に描かれた、日本に現存する貴重な作のひとつと判明しました。発見時、「100年に一度の秘宝」と謳われるほど貴重なものでありながら、一方で激しく劣化が進み、その保存や修理に頭を悩ませていた西念寺でしたが、昨年、番組で片岡が紹介したことも契機となり、今年3月11日の文化審議会で重文答申されました。国の重要文化財に指定されることにより、修復のための補助金が出る見通しとなったのです。

この事例を通して、いかにまだ多くの知られざる文化財が京都にあるか、また、それらを公開する機会を設けることが大切かをお伝えいたします。