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【Episode7】“Cradle” 起源

ギリシアの島々には、古代より波に運ばれた音が息づいている。 エーゲ海最南端のクレタは、険しい渓谷が美しい神話の島。山深くの村では、幾世代も受け継がれた歌や踊りが護られている。 伝統楽器リラやラウートで爪弾かれるリズムは、美しい跳躍舞踏を生み、人々は民族の物語を詩に詠み紡いできた。 収穫の秋を迎え、葡萄の蒸留酒ラキの誕生を祝う宴”カザニ”に集う人々は、歌と踊りで熱く沸騰する。

 


■音楽家紹介
Psarayougis Giorgos (Psarogiorgis) Xylouris (イヨルゴス)
伝統楽器ラウート奏者。有名なリラ奏者の父Psarantonis(アントニスXylouris)と叔父ニコスXylouris を生んだ音楽一家に生まれる。11歳から父の演奏に参加し、オーストラリアで自身のアンサンブルを結成した。アルバムはオーストラリアのARIA美術賞にノミネートされた。息子ニコスと共に、現在クレタとメルボルンを拠点に活動。

 
Yiannis (Aetoyiannis) Panagiotakis (アエトヤニス)
民族舞踊団を率いるリーダー。 クレタ島は神話の島であり、ダンス発祥の地である。半神半人のクレスたちが踊った荒々しい跳躍舞踊が、世界で最古の踊りだという。島の伝統楽器リラの演奏とともに、人々は手と手をつなぎ、背筋を伸ばした軽やかなステップでリズムを刻む。

 
Dimitris Sgouros (デミオトリス)
リラ奏者。小学校の教師。蒸留酒の祭りで見事なリラを演奏する。

 
Yiannis Vardas (ヤニス)
羊飼い。リラ奏者。詩人。