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【Episode20】“ÁIBMU” 大気

ÁIBMU とは、北極圏の少数民族「サーミ」の言葉で、「空気」、「世界」を表す。
舞台は、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアにまたがる「ラップランド」。サーミがトナカイの狩猟や遊牧により、独自の文化を築いてきた大地だ。長い冬には妖艶なオーロラが夜空を彩り、今もサーミはトナカイ放牧を行い、自然と深く関わりながら極寒の地に生きる知恵を継承する。
サーミの伝統に、「ヨイク」と呼ばれる即興歌がある。自然界の精霊の声を聞くシャーマンの声がヨイクの起源と言われ、太陽、月、山々など自然に向けて歌われる。また、人物の人柄をヨイクで表したり、人と人とのコミュニケーションのためにも歌われてきた。
自然の情景や心情を鮮やかに切り取るヨイクの担い手は、Wimme Saari(ウィメイ・サーリ)。フィンランドのバス・クラリネット奏者Tapani Rinne(タパニ・リンネ)と組み、自分たちのルーツに深く根ざした、温もりある新しいヨイクに挑戦している。