地球の目撃者 ~カナダ・南三陸 海がつないだ奇跡~

地球の目撃者 ~カナダ・南三陸 海がつないだ奇跡~

番組概要

水中写真界で「北の海の伝道師」と異名をとる男。
北の海の生き物たちの命の輝きを写し撮ってきた。
しかし、2011年3月11日の東日本大震災でダイビングショップや家屋のすべてを失う。
その時佐藤は、北の海の奇跡、「ニシンの大産卵」を目撃していた―

ナレーター : 榮倉奈々

番組概要

【アバン/海の奇跡と再生を目撃し続けてきた男】

「あの震災が、彼の人生を、そして海を変えた。」
3.11東日本大震災。水中写真家佐藤長明の拠点、南三陸町は壊滅的なダメージを受ける。
その時佐藤はカナダ・ベインズ海峡で命の奇跡のドラマ10億匹のニシンの産卵を目撃していた。

【カナダの奇跡/10億匹の産卵】】

かつて日本にもあったが今では見られなくなってしまった壮大な生命連鎖のいとなみ。
一年に一度、10億匹のニシンがある海峡に集まり産卵する。

【志津川湾という美しい海】

志津川湾、それは佐藤が生まれ育った海。
津波ですっかり失われてしまったが、かつては日本有数の美しい、豊かな海だった。
震災前の取材映像、および佐藤の写真で紹介。

【大震災の後で/佐藤のその後】

即刻帰国し、しかし行くあてもなく、北海道の被災者住宅に居を構える佐藤。ダイビング仲間や、生き残った故郷の友人の支援により、6月、再び三陸の海に潜る。
実は、カナダに行っていたおかげで必要最低限のダイビングと撮影機材は難を逃れたのである。

佐藤が目撃したもの、それは…
すっかり色を失ってしまった、死の海ともいえる志津川湾だった。
しかし、実はそこに小さな奇跡がひとつ―
佐藤の爪の先に乗ってきた小さな小さな生命。

【年の瀬の奇跡】

2011年12月の末、佐藤は再び志津川湾にむかった。
例年なら、佐藤がもっとも愛する魚、グラントスカルピンがふ化する時期。
どうしてもその姿を目撃しておきたかった。
今年戻って来なければ、もう永遠に戻ってこないと思われる小さな命。
佐藤は志津川湾を懸命に捜索する。
しかし他の魚たちの姿は見かけたがグラントスカルピンだけが見つからない。
日没が迫りあきらめかけたその時、奇跡が起きた。
岩陰に、グラントスカルピンの幼魚が――
佐藤は志津川湾でも奇跡を経験したのである。

出演者プロフィール

【自然・水中写真家】佐藤長明

1969年、南三陸町(旧志津川町)生まれ。
1992年、23歳でスキューバダイビングと出会い翌年から水中写真を始める。南三陸沿岸に生息する希少種の発見をきっかけに水中写真に取組む。
8年間の修業後、2000年にDivingServiceGruntSculpinを設立。
現地型ダイビングサービスとしてそれまでダイビングポイントとして無名だった宮城の海を国内に広く紹介。
2005年には志津川漁協、南三陸町(旧志津川町)と協力して新ダイビングスポットのオープンを実現。
自ら撮影するクオリティの高い写真により、生態観察と撮影の楽しさを広めている。