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新・にほん風景遺産「紅葉!祭り!ニッポンの秋2時間スペシャル」

秋真っ盛り!世界遺産 白神山地
~海・川のいのち育むブナの森~

青森県南西部から秋田県北西部にまたがり標高1,000m級の山々が連なる白神山地。その特徴は、ブナの原生林が世界最大級の規模で分布していること。ブナ林には動物の餌となる植物が多く、ツキノワグマ・ニホンザル・クマゲラなど多くの動物が生息しています。白神山地の原生的なブナ林で占められている区域およそ17,000haが1993年に世界自然遺産に登録されました。また、保水力の高い広葉樹であるブナが育む土壌の栄養は、森が蓄えた水に溶け込み、岩木川・赤石川など白神山地を源流とする多くの川を通って日本海に流れ込み、麓の人々の暮らしを豊かにしてきました。
世界自然遺産・白神山地やその麓を旅するのは、俳優・中本賢。麓の深浦町では豊穣の海と白神山地の関係性を知ったり、山の湧き水で育てられるトラウトサーモンに出会ったりと、白神の水の豊かさに大興奮。白神山地の玄関口・十二湖エリアでは、池の底にある倒木がはっきりと見えるほど透明度の高い清き水、神秘的な「青の絶景」に出会います。また、白神山地の狩猟集団「目屋マタギ」の子孫とともに山に入り、かつてマタギが狩猟中の道しるべとした推定樹齢1,000年、高さ約35m、幹回り17m以上のカツラの巨木を目の当たりにし感動。そして、白神山地でのブナの重要性やマタギの知恵を教わり、山の恵みの尊さや自然との共存に想いを馳せます。


吟醸酒のふるさと 広島・西条
~25万人の酒まつりと酒造り小学生オペラ~

広島市から東に約3km、東広島市西条。ここは兵庫県・灘、京都府・伏見とともに日本酒の銘醸地と称される酒の都。7軒の酒蔵が軒を連ねる約800mの酒蔵通り一帯は「西条の酒蔵施設群」として2017年に日本の20世紀遺産に選定されました。
明治初期、酒造りの面で他の地域より遅れを取っていた西条。竜王山の伏流水を利用した醸造法を開発し、酒造が集まる地域に鉄道を誘致するなど、酒蔵の街として発展していきました。そしてこの街で育まれた高い精米技術は吟醸酒を初めて世に送り出します。
酒都・西条が最も活気づくのが毎年10月に開催される「酒まつり」。各酒蔵が酒にまつわる様々な文化を伝える催しが開かれるほか、全国約1000銘柄の地酒が飲めるということで20万人以上の酒好きたちが集まる日本最大級の日本酒の祭典です。
祭りでにぎわう酒の都を旅するのは、俳優・石丸謙二郎。酒蔵通りを訪ね、酒の仕込み水から住民の炊事まで活躍する湧き水に感動し、酒蔵のまかない飯から生まれた「美酒鍋」に舌鼓を打ち、街が一体となって盛り上げる酒造り文化に触れます。西条酒造りのルーツを求めて訪れる安芸津では広島が生んだ新たな牡蠣ブランド「かき小町」を堪能し、2018年の西日本豪雨災害からの復興を目指す酒蔵に出会います。そして酒まつりで小学六年生が発表するオペラ「白壁の街」に密着。入学してから6年間学んできた酒造り文化の集大成の場に立ち会います。