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新・にほん風景遺産「春の歴史たび 2時間スペシャル」

今が旬!初ガツオにわく港町~徳川家康が愛した焼津~

静岡県中部、駿河湾に面する港町・焼津。遠洋で獲れるマグロや、沿岸のサバやイワシなど魚種も豊富で水揚げ量は全国屈指。そして今まさに旬を迎えているのが「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」と詠われるカツオです。年間8万トン以上、沿岸はもちろん赤道周辺や日本の東沖など世界中の漁場からカツオ船が水揚げされます。
焼津がカツオの町となったきっかけは、かの徳川家康との深い関わりがありました。天下統一した家康は漁船が軍事転用されることを恐れて、七丁櫓までと規則を作りましたが、自分の護衛をさせる機会が多かった焼津の漁船だけに八丁櫓を許可したといいます。そのおかげで焼津の漁師だけが速く遠くまでカツオを追うことが出来たため、カツオの町として発展したのです。さらに、家康と親密な関係にあった庄屋でその死の謎が明らかになる代々受け継がれる品が!?
焼津を旅するのは、魚をこよなく愛する俳優・石丸謙二郎。駿河湾に並行して伸びる浜通りを歩き、高潮を受け流すための町割りや家の構造から、海とともに生きるための先人たちの知恵を知り、地元の鮮魚店で獲れたての初ガツオに舌鼓、家康が食べたといわれる料理を再現した御膳をいただきます。さらに江戸時代から伝わる手火山式という伝統的な製法で作られるカツオ節職人の家族や、古くから焼津の漁師に愛された作業着・鰹縞シャツの伝統を絶やすまいと一人で仕立てを続ける女性に出会います。
今も焼津に根付く伝統のカツオ文化。歴史と今に受け継がれる暮らしの風景を巡ります。


歴史を動かした!みちのく黄金郷~気仙沼から涌谷 金の千年物語~

かつて“黄金の国ジパング”と呼ばれた日本。マルコ・ポーロの『東方見聞録』に記された「莫大な金を産出し」とは、みちのくの産金地のこととも言われ、中でも宮城県・涌谷は日本で初めて金がとれた場所と伝わります。
奈良・東大寺の大仏は造立当時、金色に輝く姿でした。聖武天皇の時代、高さ約18メートルもある大仏を作るのは、まさに国家の一大プロジェクト。金メッキ加工のため海外からの大量の金調達を計画しますが、その目途は立っていませんでした。そんな時、「陸奥国小田郡(現在の涌谷町とその周辺)より金産出」の知らせ。749年、黄金900両が献上されました。日本に金など存在しないと信じられていた時代、聖武天皇はあまりの感激に元号を「天平」から「天平感宝」へと変えたほどでした。涌谷から始まった日本の産金は、その後、長い年月を経て東北各地へと広がっていきます。
1200年にわたる“みちのく黄金郷”を旅するのは、作家・島田雅彦。日本最初の産金地でその痕跡を探り、江戸時代に伊達政宗の仙台藩を支えた玉山金山、そして近代、世界を驚かせた「モンスターゴールド」を産出した気仙沼の鹿折金山、さらに国内有数の金産出量を誇った大谷鉱山の巨大な廃墟を巡ります。今はもう金はとれませんが、そこには今も息づく武士と金山従事者の物語や、巨大金塊を巡る伝説がありました。かつての産金地の面影に想いを馳せます。
 
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