アジア太平洋への新しい視界

CAST
寺島実郎
姜尚中
アーサー・M・ミッチェル
STAFF
制作 : BS朝日
プロデューサー : 吉野 実

 日本周辺に目を転じれば、ロシアは今や中東諸国を追い抜き、世界一のエネルギー大国に躍進した。また、中国はGDPではドイツを追い抜き、世界第3位となる勢いで、現在も破格の経済成長を続けている。ASEAN、インドも7%台の経済成長を続けており、アジアは大国が台頭し覇権を握る、というよりは「ネットワーク型の発展」をしていると見ることも出来る。

このような世界情勢の変化の中、今まで日米同盟に依存することで生き残ってきた日本の進むべき道は、どこにあるのか。

 (財)日本総合研究所会長の寺島実郎は、アジアにおける日本の役割を、次の3点に集約する。アメリカの単独覇権主義を抑制しつつ、アジアの秩序形成に招き入れながら、アジアとの連携を深めること。中国には知的所有権の遵守や環境保護の重要性を認識させつつ、国際社会への責任ある関与を促す。さらに、最も重要な点として、日本という国家自体が非核平和主義を貫き、国際法と国際協調を重視する姿勢を明確に打ち出す事だ。―こうした問題意識の下、寺島は中立的な産学官連携のシンクタンク「アジア太平洋研究所」の創設を構想している。

 番組では、寺島と▽日本と朝鮮半島の様々な問題を見続けてきた姜尚中(東京大学大学院情報学環教授)▽40年以上日本に関わる日本通で、元アジア開発銀行ジェネラルカウンセルのアーサー・M・ミッチェル-の3人のパネルディスカッションを収録。地球環境に視野を広げたアジア太平洋地域の経済成長、産業発展を徹底討論し、日本の立ち位置や今後の課題を浮き彫りにする。