世界一周 “深海”で大発見!~ふしぎ生物から生命誕生のナゾまで~

世界一周 “深海”で大発見!~ふしぎ生物から生命誕生のナゾまで~

お知らせ

【放送日時】
2016年11月13日(日) よる9:06~11:00放送

番組概要

ロマンあふれるフロンティア…“深海”

「宇宙」と並び、もう一つのフロンティア「深海」。
実は、『宇宙よりも深海の方が行くのが難しい』と語る学者は多いのです。
宇宙は電波が通じるのに対し、深海は電波が通じない、まさに暗黒の地だからです。
人類にとってその世界を見ることは夢でした-

BS朝日がお届けする“深海シリーズ 第三弾”では、
世界をリードする深海の研究所「海洋研究開発機構・通称ジャムステック」が、
1年間かけて敢行した「世界一周・深海調査」の一部始終を独占で紹介。
航海名は「QUELLE 2013」。QUELLEとはドイツ語で「起源」。
今まで調査されてこなかった南半球の深海をめぐり、不思議な深海生物の生態を撮影。
地球の深海底を一周しながら、摩訶不思議な深海生物を一挙公開!
生命の起源・限界に迫ります!
今回は、日本のジャムステックだけでなく、
海外の深海研究所が撮影に成功した、貴重な深海生物の映像も紹介。
「知られざるフロンティア・深海」に暮らす生き物たちの魅力を
ふんだんに紹介します。

放送内容

希少な深海生物の宝庫 いざ!インド洋へ
インド洋には、「海嶺」と呼ばれる“海底山脈が3つあり、それら海底山脈が交わる地点”があります。それぞれ違った地形を持つ海嶺が交わるポイントには、インド洋でしか見ることの出来ない生物が多数生息しています。インド洋を調べることで、生物の進化の謎が解明できるのでは!と期待されている場所なのです。
その代表的な生物が、インド洋の熱水噴出孔にしか生息しない巻貝の仲間、スケーリーフット。その特徴は、自らの身を守るため、硫化鉄を自分で作り出してまとっている事。今回の調査で、生きたまま採取し研究した結果、その貝が作る鉄は、人類が開発した技術で生み出すものより、遥かに上回る品質の鉄であることが判明したのです。注目は、その鉄が100万分の1mmという驚異の薄さであること。
現在は、その鉄を再現しようと研究が進められ、電池や太陽光パネルの素材として注目を集めています。

世界初!ブラジル沖の深海に潜航 2つの大発見

ブラジル沖の海底は、数億年前、南米大陸とアフリカ大陸が割れた時に海底に沈んで残された「大陸の欠片」とも言われていて、起伏が激しく、数千メートルにおよぶ崖が広範囲に広がっています。
「しんかい6500」は世界で始めてブラジル沖の深海に潜った有人の潜水艇となりました。入り組んだ地形の海底で、歴史的な発見を2つ達成します。
ひとつは、南米大陸とアフリカ大陸がつながっていて、同じ大陸だったという仮説を裏付ける証拠。もともと海底にはない花崗岩という大陸の岩石を発見し、話題になりました。
更に、自然の「鯨骨生物群」(クジラの遺骸に群がる生物群)を発見。研究を進めた結果、41種類の新種の生き物を確認したのです。

世界最深5000mの海底温泉で発見した生命の起源

地球生命誕生の起源と言われる「海底温泉」。世界各地の海底に存在していますが、カリブ海には、世界最深5000mの所に温泉がわき出ています。その温泉の温度は約400℃、水圧は500気圧。まさに地球上の極限環境と言える場所。
そこで、地球生命誕生のヒントが見つかるはずだと調査が行われました。これまでの生命起源と言われていたのはインド洋の海底温泉で発見されたメタン菌という、水素と二酸化炭素を食べてメタンを排出する菌でした。40億年前の地球にすでにあった水素と二酸化炭素の2つの物質だけで生きる事が出来るため、生命の起源であると考えられていたのです。世界最深の海底温泉にも、生命の起源につながるメタン菌 がいるはずだと調査が行われました。しかし、このカリブ海の海底温泉にはメタン菌はほとんど住んでいなかったのです。メタン菌を見つけ生命の起源を解き明かそうとしていた調査チームは落胆の中、新たな菌を発見します。それは、アーカイグロブスという菌。
そして、その菌を分析研究した結果、メタン菌よりも古い地球上で最古の菌であることが判明したのです。つまり生命の起源の仮説が変わった瞬間でもあったのです。新たな発見は、生命の起源を明らかにするための大きな一歩となりました。

恐竜時代の海底山脈で新種を探せ

ニュージーランドの北部の深海。
4300キロに及ぶ海底山脈を世界ではじめて調査しました。そこで発見したのは新種の生き物!ここで様々な希少生物の観察と採取に成功しました。世界の深海生物たち、その謎の生態に迫ります。