昭和の爆笑王 林家三平 いま明かされる戦争秘話

昭和の爆笑王 林家三平 いま明かされる戦争秘話

お知らせ

【放送日時】
2015年9月20日(日) よる 9:00 ~ 10:54放送

二代目 林家三平が語る 番組の見どころ

父の初代林家三平が亡くなり35年になります。当時9歳だった私も、今やすっかりオジサンですから、月日の経つの は早いものです。
享年54。おかしなもので、自分がその年齢に近づくにつれ、親父の事を知りたいという思いが膨らんでくる。でも、昔の男親って、自分のことはあまり話さないんですよね。家の親父もそうでした。特に、戦争の体験談は滅多に語らない。

実は、親父は、終戦の年の3月、19歳で軍隊に行っているんです。しかし、軍隊で何をやっていたのか、お袋にも詳しくは話しませんでした。「なぜだろう」という疑問は、今も家族の中に残っています。
ところが、最近になって、親父が戦友達と一緒に出演した番組の録音テープが見つかったんです。テープの中で、親父達は、軍隊生活を懐かしそうに話していました。
この音声テープに残された肉声をヒントに、初代三平の知られざる戦争体験を探ろうというのが、今回の番組です。

私自ら取材をしましたが、判明したのは、出征した親父が、千葉県の九十九里に送られ、上陸してきた米軍を迎え撃つ「本土決戦」に備えていたことでした。当時を記憶する元軍人などにお話しを聞くと、親父達は「兵隊」とは名ばかりの存在で、ろくに武器も支給されないどころか、食うものも食えずに、毎日、土木作業に従事させられていたようです。そして、敵が来たら、肉弾特攻を迫られる。それは、映画や小説で、ときに美しく描かれる特攻隊とは、まったく違う、実にみじめな特攻隊員の姿でした。戦後、親父が、戦争体験を語らなかった気持ちが痛いほど分かりました。
そして、今回、親父の事を取材して強く感じたのは、実体験として戦争を知る世代の方々が、実に少なくなってしまっているという現実です。戦後70年、戦争体験の風化を身をもって感じました。だからこそ、今、戦争がもたらした悲惨な出来事に耳を傾け、それを次の世代に伝えてゆくことの大切さを感じています。