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    エッセイ

    アカデミー賞と韓国映画の旅(1)

    韓国映画『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞4部門を受賞した。英語でない作品が作品賞に初めて選ばれた快挙にちなみ今回は韓国映画の思い出を“旅”したい。

    私が初めて見た韓国映画は李朝時代の代理母について描いた映画『シバジ』(1986)であった。1991年東京外語大・朝鮮語学科に入学してまもない頃、課外授業で、当時、東京・池袋にあった韓国文化院を訪れて見た。
    「卵から生まれた雛は最初に見た動くものを親だと思う」という話を引用するのは少し大げさかも知れないが、巨匠イム・グォンテク監督よりもむしろ、年頃の私にコリアン・エロスというものを強烈に突き付けたことは間違いない。いずれにしても、なぜこの映画を見ることになったのかは今もって謎だ。

    同監督の『風の丘を越えて ソピョンジェ(西便制)』(1993)はリアルタイムで見たものの、在学中は今のように韓国映画があまり日本で公開されていなかったし、私は映画よりも韓国ドラマに夢中になっていた。

    私が韓国映画にハマるきっかけとなったのは、就職後に『シュリ』(1999)や『JSA』(2000)を見てからで、両作品では『パラサイト』に主演する若かりしソン・ガンホが好演している。どちらも南北関係の悲哀を描いた力作だ。

    2002年小泉総理の訪朝をきっかけに、日本で北朝鮮への関心が高まると、韓国映画もまた報道番組の取材対象となった。
    朝鮮戦争を描いた『ブラザーフッド』(2004)が日本で公開された時は、ダブル主演のチャン・ドンゴンとウォンビンが来日し、新宿のホテルでインタビューした。
    チャン・ドンゴンは私と同じ年で、学生時代の私は、歌うアイドルと認識していた。しかし、その時すでに韓国のトップ俳優になって久しく、サービス精神も旺盛で「ヨン様人気をどう思うか」という私な失礼な質問に「本当に羨ましい!」と言って笑わせた。ウォンビンはとてもシャイだった。

    『シルミド』(2003)は北朝鮮への潜入を想定した韓国側工作員の養成を描いた実話に基づく悲劇で、私は韓国に長期間出張し2時間のドキュメンタリーを制作した。

    『パラサイト』が韓国の格差社会を描いた社会派の映画だったからか、今回のエッセイは“センチメンタルさ”に欠ける。だから『春の日は過ぎゆく』(2001)や『猟奇的な彼女』(2003)など韓国の恋愛映画についても、いずれ書きたい。

    (つづく)

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